《「十二支」より「酉」》平福百穂
佐野市立吉澤記念美術館十二支の動物を小画面に描いた十二幅揃のうちの一図。簡略だが動物の一瞬の動きや目の表情、毛のやわらかさを的確に描き出して画家の腕を実感させる。平福百穂は、明治十年(一八七七)、秋田県角館町(現・仙北市)に生まれる。父・穂庵は、四条派に学び中央画壇でも評価を得ていた。早くに父を失うも画才を認められ、川端玉章に入門、東京美術学校にも学ぶ。結城素明らと无声会を結成、自然主義画風を展開し、新聞や雑誌の挿絵を描いて文学者との交わりも深めた。大正期には、文展に作品を発表し琳派や大和絵、南画、歴史の研究を深めて画境を広げた。昭和八年(一九三三)死去。
担当者からのコメント:当館では、「酉」の絵画を展示している1/7(土)~2/26(日)の期間に、新春スタンプラリーを開催します。干支やお正月にちなんだ作品を展示している吉澤記念美術館、葛生化石館、葛生伝承館、郷土博物館の4館を巡り全館のスタンプを集めた方に素敵なプレゼントを贈呈します(先着順)。