《東海道五十三次内 大磯 をだハらへ四リ》 歌川芳員 四ツ切判錦絵 嘉永6年(1853)9月
歌川国芳の弟子である、歌川芳員が描いた東海道物のシリーズの一点。虎子石は、鎌倉時代の武士・曽我十郎祐成の恋人、虎御前ゆかりの不思議な石で、虎御前の成長とともに大きくなり、十郎の危機を救ったなどの伝承があります。大磯の延台寺にいまでも虎子石(虎御石)は祀られており、本来の形としてはただの石なのですが、絵師の芳員は想像力とユーモアを駆使して、「虎」と「石」を組み合わせた、なんとも奇妙な生き物を創り出しました。味のある外見と、驚く人たちの姿も笑いを誘います。
担当者からのコメント
2010年に展覧会に初めて出品されて以来、味わいのあるキャラクターが美術館スタッフの中で人気となり、2012年から太田記念美術館公式twitterのアイコンとして使用しています。また以前からマスキングテープなどのグッズ制作にも取り組んでおり、先日フェリシモミュージアム部さんとのコラボで、ぬいぐるみ化も実現しました。