《銅四脚羊鈕インク壷》(夏目漱石愛蔵)橋口五葉/デザイン 1907年頃
神奈川近代文学館夏目漱石が、愛用の原稿用紙をデザインした橋口五葉に頼んで造らせたもの。
ガラスのインク壺が嫌いだったので、青銅で中国風のものを、などとデザインについて希望を記した1907年1月23日の書簡が遺されている。
側面には、王維の漢詩「送〓桂州」が刻まれている。
1907年も未年だったので、それをつまみの意匠に用いた。
赤黒のインクを入れて使っていたようだが、内田百閒によると漱石はあまり気に入らなかったという。
1945年の空襲で漱石山房が焼けたあとから出土された。