円空や大阪の女性日本画家、写真家・安井仲治など。12月から1月2月には様々な作家を紹介する展覧会が開催。アイエム編集部おすすめの全国の展覧会10選をご紹介。首都圏版はこちらです。
謎多き円空にせまる
まず紹介するのは、10周年をむかえる大阪・あべのハルカス美術館で開催される「円空」展。修行の旅に生涯を捧げ、人々のために祈りを込めて仏を彫った円空の謎多き一生にせまる展覧会。観音像や迫力に満ちた護法神像など初期から晩年まで代表作が並びます。
あべのハルカス美術館「円空 ―旅して、彫って、祈って―」
大阪の女性日本画家たち
約100年前の大阪では、多くの女性日本画家が活躍しました。大阪中之島美術館では、全国的に注目を集めた50名を超える近代大阪の女性日本画家の活動をを紹介。約150点の作品や関連資料が並ぶ。「決定版! 女性画家たちの大阪」は12月23日からです。
大阪中之島美術館「決定版! 女性画家たちの大阪」
ファイバーアートの先駆者・小林正和
伝統的なテキスタイルの枠組みを越え、一本の「糸」に内在する表現の可能性を追求したファイバーアート。京都国立近代美術館では、ファイバーアートの先駆者の一人・小林正和(1944-2004)の活動を回顧。「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」は年明け1月6日から。
京都国立近代美術館「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」
四季の情景を愉しむ美人
静岡県・佐野美術館で年明けに開催されるのは、四季の情景とともに描いた美人画約70点を紹介する「ときめき 美人―培広庵コレクション名品展」。桜を愛で、夕涼みに憩い、夜長の読書にもの思い、舞う雪に見入る女性たちの華麗な装いや妖艶なしぐさを堪能することができます。
佐野美術館「ときめき 美人―培広庵コレクション名品展」
巨匠たちのグラフィック
石川県の国立工芸館で開催されるのは「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957 - 1979」。原弘や田中一光、永井一正、横尾忠則、杉浦康平といった日本を代表するグラフィックデザイン界の巨匠たちや、「版」表現に挑んだ作家たちの代表作や貴重な展覧会ポスターが並びます。
国立工芸館「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957 - 1979」
写真家・安井仲治の全貌にせまる
写真のあらゆる技法と可能性を追求し、心震わせるような忘れがたいイメージの数々を印画紙に焼き付けた写真家・安井仲治(1903-1942)。生誕120年を機に、その全貌を紹介する「生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真」が開催されます。展覧会は、兵庫県立美術館の後に東京ステーションギャラリーへ巡回します。
兵庫県立美術館「生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真」
ムーミンのおいしい食卓
岐阜県現代陶芸美術館では「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」を開催。ジャムやパンケーキ、りんごやコーヒーなど、ムーミンの物語に登場するは様々な食べものに焦点をあて、ことばや挿絵などを通じてコンヴィヴィアル(convivial=共生、ごちそう)のありかを探ります。
岐阜県現代陶芸美術館「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」
ミュシャの作品世界へ没入
近年、ますます人気を集めているアール・ヌーヴォーの代表的な画家・デザイナーのアルフォンス・ミュシャ。グランフロント大阪ではミュシャの作品世界を楽しむことができる没入型の展覧会「アール・ヌーヴォーの女神たち」が開催。躍動する時代を彩った女神たちとともに、絵画を全身で体験することができます。
グランフロント大阪「アール・ヌーヴォーの女神たち」
写実の名品第2弾
岡山シティミュージアムでは特別展「ホキ美術館名品展Ⅱ」が開催されます。日本初の写実絵画専門の美術館として千葉県に開館したホキ美術館。展覧会では、名品展の第2弾として、前回は不出品だった人気作家の大作を含む62点を紹介します。
岡山シティミュージアム 特別展「ホキ美術館名品展Ⅱ」
写実の名品第2弾
中山道広重美術館では、歌川広重の手になる「京都名所之内」や「浪花名所図会」、瀟湘八景になぞらえて設定された近江八景などを紹介。名所や名物、名跡をなど見どころ満載の上方名所を取り上げる「ぐるり上方名所めぐり」は12月14日からです。
中山道広重美術館「ぐるり上方名所めぐり」