だいぶ寒くなって来たと思ったら、もう年末。インターネットミュージアム編集部が選んだ、2020-21年冬のおすすめ展覧会ベスト10[首都圏版]をご紹介します。
まずはデザインの展覧会から。当初は9月に開催されるはずだった「佐藤可士和展」は、コロナでこの会期に。いわずと知れた、日本を代表するクリエイティブディレクターの、過去最大規模の個展です。会場の国立新美術館のロゴも佐藤のデザインです。
竹尾ポスターコレクションを紹介する「20世紀のポスター[図像と文字の風景]」は、時代を彩った“構成的ポスター”を辿る企画。1910~20年代の構成主義は特徴的な表現様式を生み、今日のビジュアルデザインの基盤となりました。
J.M.W.ターナーとともに英国美術を牽引したジョン・コンスタブル。ターナーが各地を旅したのに対し、コンスタブルは自身の生活や家庭環境と密接に結びつく場所を描き続けました。「テート美術館所蔵 コンスタブル展」は、日本では35年ぶりの回顧展です。
「フランシス・ベーコン」は、20世紀美術を代表する巨匠。2013年の大規模展は話題になりました。今回はシュルレアリスムに傾倒した1930年代の油彩画など、日本初公開となる作品・資料を展覧します。
故ダイアナ元英国皇太子妃も愛した、吉田博の木版画。「没後70年 吉田博展」では、洋画家としての素養も持ちながら版画家として新境地を切り開いた吉田博の、後半生の大仕事である木版画を一挙に公開します。2021年は10月にも川瀬巴水展が予定されているので、新版画の年になるかもしれません。
「和装男子 ー 江戸の粋と色気」は、いかにも太田記念美術館っぽい企画。江戸随一のファッションリーダーだった歌舞伎役者をはじめ、江戸時代の男性も、現代同様にファッションを楽しんでいました。これの次の展覧会「没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画」も注目です。
亜熱帯の花鳥や風土を題材にした独特の日本画を描いた田中一村。生前は無名でしたが、近年は大きな注目を集めるようになりました。「田中一村展」では、千葉市美術館が収蔵する全作品を大公開します。
「Steps Ahead Recent Acquisitions」では、アーティゾン美術館の新収蔵品を一気に紹介。キュビスム、マティスのドローイング、デュシャン、抽象表現主義の女性画家、瀧口修造と実験工房、オーストラリアの現代絵画など。
「絵画のドレス|ドレスの絵画」は神戸ファッション美術館とのコラボ企画。絵画や写真の人物のドレスと、実物のファッションを併せて展示。絵画や写真の世界に没入してもらいます。
南薫造(みなみくんぞう)は、日本の印象派を代表する画家のひとり。若くして画壇での地位を築いた逸材で、風景画を得意としました。「没後70年 南薫造」展、全貌を紹介する回顧展は東京では初開催です。
コロナの影響で事前予約が必要だったり、場合によっては休館の可能性もあります。詳細は必ず公式サイトでご確認ください。