この展覧会は丸亀城築城420年の記念展。長く丸亀城を治めた京極家に伝わる品々を中心に、戦国の武士たちが身に着けた鎧兜や陣羽織、刀剣など、その美意識が伺える品々が並びます。
会場風景展覧会の主役は備中青江派の名刀、ニッカリ青江です。
この刀に注目が集まったのは若い女性を中心に人気を集める「刀剣乱舞-ONLINE-」がきっかけ。インターネットミュージアムでもゲームに登場する刀剣を何度もご紹介していますが、ニッカリ青江も刀剣女子たちの熱烈なオファーで2015年秋に展示。それ以後毎年公開されています。
ニッカリ青江は元々は太刀でしたが、伝来していく過程で擦り上げられ、今は一尺九分九厘(約60cm)の大脇指になりました。戦国期の武将、柴田勝家が所持し、丹羽長秀が所持したのちに豊臣秀吉に献上され、秀吉の息子の秀頼から京極家へ拝領。讃岐丸亀藩の京極家に長く伝来しました。
ニッカリ、という不思議な名前は、「にっかりと笑う女の幽霊を斬り捨て、翌朝その場を確認したところ、石灯籠が真っ二つになっていた」という伝承によるもの。
《ニッカリ青江脇指 金象嵌銘 羽柴五郎左衛門尉長》石灯籠を斬った、という伝承も納得の冴え冴えとした刀は身幅が太く、大きな切先からは擦り上げ前の太刀の力強さを感じさせる佇まいです。
展覧会の会期は短く約2週間ですが、「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボレーションも実施。刀剣男士「にっかり青江」の等身大パネルや、グッズの販売、スペシャルラッピング人力車など、様々な企画が行われます。(詳細は
丸亀市観光協会及び丸亀城公式HPをご確認ください)
会期中9月24日には「丸亀城420フェスタ」もあります。展覧会会場の
丸亀市立資料館は丸亀城の敷地内にありますので、盛り上がる丸亀城を満喫できる一日になりそうです。
丸亀城とコラボなど、見どころをご紹介します。東京から丸亀までは新幹線で岡山を経由、瀬戸大橋を渡る特急に乗って向かいました。気持ちの良い秋の旅行を今からでもぜひ計画してみてはいかがでしょう。
[ 取材・撮影・文:川田千沙 / 2017年9月15日 ]■丸亀 ニッカリ青江 に関するツイート