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    レポート
    三井の文化と歴史(前期)茶の湯の名品
    三井記念美術館 | 東京都
    メモリアルイヤーの記念展
    1965年創立の三井文庫、2005年に移転・開館した三井記念美術館。今年はそれぞれ50周年と10周年のメモリアルイヤーです。記念特別展の第一弾は「三井の文化と歴史」展。前期は三井各家に伝わる茶道具の名器を紹介します。
    (右下)《伊賀耳付花入 銘 業平》
    千利休《竹茶杓 銘 ホトトキス 共筒》
    (左から)明極楚俊《明極楚俊墨跡「鉄牛号偈」」》 / 円山応挙《破墨山水図》
    (右手前)《古染付菱口花入》
    茶室「如庵」を再現した展示室3は、席披きの折の茶道具をおき合わせました
    (右手前)国宝《志野茶碗 銘 卯花墻》
    《金閣寺古材木地茶箱》
    (左奥から)《堆朱赤壁香合》 / 《堆朱梅香合》
    (左から)三井高棟《天保九如図》 / 三井高朗《草花図剪綵》
    長い歴史と伝統を持つ三井。三井総領家とされる北三井家の初代・三井高利が表千家と昵懇だったなど、古くから茶人との交流も盛んでした。

    三井家に伝わる茶道具の名品を紹介する本展、会場は伊賀焼の中でも特に優美な作として名高い《伊賀耳付花入 銘 業平》から始まります。

    展示室中ほどには、茶杓が2点。手前は武野紹鴎作で、全体的に伸びやかな印象。奥は千利休作で、緊張感が感じられます。茶杓は茶道具の中でも特に敷居が高く思えますが、ここまで違えば比較して楽しめると思います。


    展示室1

    茶室「如庵」を再現した、三井記念美術館の展示室3。もとは織田有楽斎(織田信長の実弟)が建仁寺境内に建てた茶室です。

    明治41年に北三井家十代の高棟が譲り受け、保存のために東京麻布の本邸に移築、昭和3年4月に席披きが行われました。本展では、席披きの折の茶道具をおき合わせました。


    展示室3

    展示室5には、茶碗がずらりと並びます。

    国宝《志野茶碗 銘 卯花墻》(日本で焼かれた茶碗で国宝は2碗だけで、その中のひとつです)をはじめ、本阿弥光悦作の重要文化財《黒楽茶碗 銘 雨雲》、同じく重要文化財の樂道入作《赤楽茶碗 銘 鵺》など、お馴染みの名椀が揃いました。


    展示室5

    奥まった展示室6では、香合を紹介。ここは小さな展示室という事もあって、展示ケースも奥行きが浅め。手のひらに乗りそうな小ぶりの香合ですが、かなり近寄って見る事ができます。細やかな技巧をお楽しみください。


    展示室6

    本展は会期が短めで5月6日(水)まで。5月14日(木)からは後期展として「日本屈指の経営史料が語る 三井の350年」が始まります。こちらは文章史料が並ぶ事になると思われ、三井記念美術館としてはかなり珍しい企画。この項でご紹介する予定です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年4月10日 ]

    すぐわかる茶の湯の名品茶碗すぐわかる茶の湯の名品茶碗

    矢部 良明 (著)

    東京美術
    ¥ 2,160

     
    会場
    会期
    2015年4月11日(土)~5月6日(水)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:00まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし5月4日(月祝)は開館、展示替え期間の5/7~5/13は休館
    住所
    東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
    電話 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.mitsui-museum.jp/
    料金
    通期券
    一般 1,000(800)円/高校・大学生 500(400)円
    後期券
    一般 500(400)円/高校・大学生 200(100)円
    ※通期券は前期および後期に各1回入場可。(前期のみの販売はなし)
    ※()内は20名以上の団体、70歳以上の料金
    展覧会詳細 三井の文化と歴史 詳細情報
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