伊能忠敬記念館
文 [エリアレポーター]
S.E. / 2020年6月7日
風情あふれる町並みも
千葉県香取市の伊能忠敬記念館に行ってきました。
伊能忠敬記念館 小野川側からが正面入り口になります
江戸時代に日本国中を測量してまわり、極めて高い精度の日本地図を完成させた事は、教科書などでご存じでしょう。
記念館は歴史的な建造物が多く残る佐原、伊能忠敬旧宅のすぐ近くにあります。
「御用」は、幕府の公用であることの目印。伊能忠敬はこのような小旗を掲げながら、全国を測量しました。
伺った日はコロナ対策が実施中。毎時50分から00分までは来場者は退館し、館内を消毒します。アルコール消毒、マスク着用、来館時の記名はもう慣れましたが、ここまで徹底しているのは珍しいと思います。
館内では佐原時代、全国測量、伊能図の完成、地図の世界と、4つのコーナーで伊能忠敬の歩みを紹介しています。
伊能忠敬は年をとってから測量をはじめたのは知っていましたが、師の高橋至時が19歳も年下だったり、そもそも忠敬は婿養子で出身は九十九里だった事などは、知りませんでした。
象限儀(小) 千葉県香取市 伊能忠敬記念館所蔵
一番驚いたのは、忠敬の測量法(導線法と交会法)が、当時の日本では一般的な方法だったという事。特別な技術を用いずとも、誤差を減らすように慎重に計測を進めた結果、西洋をしのぐ精度の地図を完成させたのです。
大図 伊豆半島 文化元(1804)年作 千葉県香取市 伊能忠敬記念館所蔵
コロナの影響で情報検索コーナーなど一部は使用できませんでしたが、充実した時間を過ごせました。
街並み観光駐車場(有料)から進むと、記念館の裏側に。石造もありました。
「一等水準点 交3981号」 香取街道沿いにあったものを、測量の先駆者である伊能忠敬ゆかりの地に移設しました。
記念館がある佐原は、水運を利用して「江戸優り(えどまさり)」といわれるほど栄えていた地域。今でも面影を残す町並みが残っています。散策もあわせてお楽しみください。
風情がある小野川沿い、観光船による「小江戸さわら舟めぐり」もあります。
エリアレポーターのご紹介 | S.E. 休日は時間ができると、ミュージアムをまわるのがいつのまにか習慣になりました。都会でも地方でも、気の向くままに足を伸ばしたいと思っています。
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