ルオーコレクションで有名な汐留美術館。
ルオーの師であるモローが描いた女性を、一堂に集めた展覧会が開催されています。
身近な女性や、ファム・ファタルと言われる宿命の女など、様々な姿や内面を通してモローの芸術性に迫るユニークな展覧会です。
テーマはモローをとりまく女性ですが、それに囚われず、直観的に感じたことを、担当学芸員、広報の方のお話と重ねてみます。
ここはどこ?邸宅に招かれたような空間
会場に一歩、足を踏み入れると、どこかの邸宅に紛れ込んだような錯覚に・・・
このコーナーは、モローをとりまく母や恋人、実生活を共にした女性を描いた作品が展示されています。
母へのメモや、恋人のスケッチから、周囲の女性に注いだ愛情が滲みだし、共に暮らした息遣いが伝わってくるようです。
企画の度に徹底的な模様替えを行っている汐留美術館。今回の模様替えのポイントが解りにくかったので、広報の倉澤敏郎氏に伺ってみました。
「今回、大きな模様替えはないのですが、1章の壁は、壁紙を使い、ランプを設置して部屋の雰囲気を出しています。」
確かに壁には細かな模様があり、腰壁も設えられています。
アンティーク調のランプが、温かみある空間演出をし、空間のディティールにこだわりを感じます。ランプはパナソニック製品だそうです。
「モローが愛した女たち」との痕跡と設えが、入った瞬間、邸宅に招かれたと感じさせたようです。
目に飛び込む「白と赤」
次に進むと、最初に目に飛び込んできたのが「白」い閃光と、白く塗られた面の部分でした。白の使い方に、インパクトがあり、線と面の白が印象的です。
次のエリアでは「赤」に目が奪われました。
汐留美術館の照明は、赤をきれいに見せる効果があることを思いだしました。
しかし「赤」と同時に「白」も飛び込んできます。
「白」とセットで「赤」が引き立てられています。
しかしこの絵、何を描いたのかよくわかりません。
こんな赤もあります。こちらの白はニュアンスが違います。
萩原敦子学芸員によると、モローは下絵で、配置や明暗を考え、赤は画面のどこが効果的か、どこに明るさを抜けた白を持ってくると奥行が感じられるか、小さい画面の中で検証していたそう。
最初に飛び込んだ赤は、その習作だったのです。
3章の壁の色もピンクです。これは、モロー美術館の壁の色を意識されています。
強烈に発光する白い光
モロー美術館の至宝《出現》。
強烈な光は、中の人物を知らなくても、異様さを放ちます。
刑吏のうっすら赤い衣と白い光の対比は、これまでのコントラストとは異なります。
首からしたたる血を強調するためでしょうか?
背後に施された線描は、透明なスクリーンをかけたようで幻想的です。
最晩年に、描き足したとのこと。
作品から離れると、柱に当たる緑をおびた光が妖艶に浮かび上がり神秘さを増します。
今回は、赤と白が飛び込み、色に注目して鑑賞するという新たな見方と出会えました。
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