IM
    レポート
    竹内栖鳳展 近代日本画の巨人
    東京国立近代美術館 | 東京都
    近代日本画の巨星、過去最大規模の大回顧展
    ともに第1回文化勲章を受賞した横山大観と並んで「東の大観、西の栖鳳」と称された、京都画壇の近代化の旗手、竹内栖鳳(たけうちせいほう)。過去最大規模の大回顧展が、東京国立近代美術館で開催中です。
    《羅馬之図》明治36(1903)年 海の見える杜美術館 展示期間:9/3~23(東京展)、半期出品(京都展)
    《象図》明治37(1904)年頃 個人蔵
    《金獅》明治34(1901)年頃 株式会社 ボークス
    右から《絵になる最初》大正2(1913)年 京都市美術館、《絵になる最初(下絵)》大正2(1913)年 京都市美術館
    《絵になる最初》(部分)大正2(1913)年 京都市美術館
    左から《熊》明治43(1910)年 京都市美術館、《雨》明治44(1911)年 京都市美術館
    左から《山村秋色》大正7(1918)年頃 個人蔵、《矢の根》大正15(1926)年 足立美術館、《遅日》大正7(1918)年 京都国立近代美術館、《浮沈追逐巧相親》大正13(1924)年頃 海の見える杜美術館 4点とも展示期間:9/3~23
    左奥から《春宵》昭和12(1937)年頃 海の見える杜美術館 展示期間:9/3~23、《清閑》昭和10(1935)年頃 京都市美術館、《海幸》昭和17(1942)年 東京国立近代美術館
    左奥から《花に蔵》昭和9(1934)年 個人蔵 展示期間:9/3~23、《家兎》昭和14(1939)年 北海道立近代美術館 東京会場のみ
    京都に生まれた竹内栖鳳。その画業は四条派からスタートしますが、積極的に他派の手法も取り入れていきました。

    1900年にはパリ万博視察のために渡欧。最先端の西洋美術にも触れましたが、その手法を日本の絵画に活かすべく模索していきます。

    本展では栖鳳の代表作や重要な作品をできるかぎり網羅。約110点の作品と素描などの資料約50点で、栖鳳の歩みを展観します。


    会場入口から

    栖鳳は修業時代から身近な生き物を熱心に写生しました。

    初期は動物の毛の流れまで綿密に描写、後期は線の本数が減ってスピード感が強くなるなど表現には変化が見られますが、継続的な写生は栖鳳の創作のベースになっています。

    会場に並ぶ作品には、徹底した観察から生まれた数々の動物が。雀、犬、象、猿、ライオン、虎…。鳴き声まで聞こえてくるかの如く、栖鳳は対象の本質を追い求めました。


    動物の屏風絵が並ぶ会場

    本展では下絵も多く出展されているため、制作の過程もうかがい知ることができます。

    《夏鹿》は昭和11年の作品(展示期間:9月3日~23日、東京会場のみ)。隣の下絵と比べてみると鹿の脚の曲がり具合や体の傾きなどが修正されており、鹿の配置の細部にまでこだわっていたことが分かります。


    《夏鹿》昭和11年 MOA美術館蔵

    栖鳳の人物画はあまり多くありませんが、本展では人物画の傑作も紹介されています。

    《絵になる最初》は、モデルが初めて裸身をさらす前の恥じらいを描いた作品。手で顔を半分隠し、目をそらした表情はとても印象的です。高島屋はこの絵に描かれた模様の着物「栖鳳絣」を考案、人気を博したとも伝えられています。


    《絵になる最初》大正2年 京都市美術館蔵

    会場では「美術染色の仕事」「旅」「水の写生」と、3つの特集展示コーナーも設置。テーマに沿った作品や資料の展示で、栖鳳の取り組みを横断的に紹介しています。また「こどもセルフガイド」も用意されていますので、子ども連れでも楽しめそうです。

    なお、展覧会は9月23日(月・祝)までの前期と9月25日(水)からの後期で大きく展示内容が変わります。※《斑猫》は9月25日(水)~10月14日(月・祝)の展示です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年9月2日 ]

    ※本展は10月22日(火)~12月1日(日)、京都市美術館に巡回します。

    竹内栖鳳 (ちいさな美術館)

    竹内 栖鳳 (著)

    青幻舎
    ¥ 1,260

    料金一般 1,300円、大学生 900円、高校生 400円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2013年9月3日(火)~10月14日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    ※金曜・土曜は20:00まで開館(入館は19:30まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)は開館。9月17日(火)、9月24日(火)は休館
    住所
    東京都千代田区北の丸公園3-1
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://seiho2013.jp/
    料金
    一般 1,300(1,100/900)円/大学生 900(800/600)円/高校生 400(300/200)円
    ※()内は前売/20名以上の団体料金
    ※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方とその付添者1名は無料
    展覧会詳細 「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」 詳細情報
    おすすめレポート
    学芸員募集
    荻窪三庭園 施設管理運営スタッフ募集! [荻窪三庭園]
    東京都
    刀剣博物館 経理職員募集 [刀剣博物館]
    東京都
    学芸員補佐(アルバイト)募集のお知らせ [中村キース・ヘリング美術館]
    山梨県
    学芸員(契約社員)募集のお知らせ [中村キース・ヘリング美術館]
    山梨県
    横浜みなと博物館ミュージアムショップ アルバイト募集!(増員のため募集期間延長) [帆船日本丸・横浜みなと博物館]
    神奈川県
    展覧会ランキング
    1
    国立西洋美術館 | 東京都
    モネ 睡蓮のとき
    開催中[あと51日]
    2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)
    2
    麻布台ヒルズ ギャラリー | 東京都
    ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
    開催中[あと42日]
    2024年11月1日(金)〜2025年2月2日(日)
    3
    米子市美術館 | 鳥取県
    MINIATURE LIFE展2 田中達也 見立ての世界
    開催まであと48日
    2025年2月8日(土)〜3月24日(月)
    4
    京都文化博物館 | 京都府
    世界遺産 大シルクロード展
    開催中[あと42日]
    2024年11月23日(土)〜2025年2月2日(日)
    5
    日本科学未来館 | 東京都
    特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」
    開催中[あと44日]
    2024年11月6日(水)〜2025年2月4日(火)