国際芸術祭「あいち2022」[STILL ALIVE-今、を生き抜くアートの力](以下、「あいち2022」)がはじまりました。「あいち2022」は、3年ごとに愛知県で開催される国内最大規模の国際芸術祭で、今回で5回目になります。
現代美術展だけでなく、パフォーミングアーツ公演とラーニング・プログラムも同時に行われるところに特徴があります。
あいち2022 オープニング
「あいち2022」の見どころ
現代美術展は県内4か所で展開されます。展示場所は、愛知芸術文化センター(名古屋市)、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)と、かなり広範囲に分散しています。まるで、サッカーの「フィールドを広く使う」というセオリーを実践したかのようです。それでは、順番に見どころを紹介します。
愛知芸術文化センター
地下鉄の連絡通路をぬけてB2Fの会場で最初に目にする作品は小野澤峻のインスタレーション≪演ずる造形≫です。高さ5mもある大型の作品で、ダイナミックに演技します。
展示風景 小野澤峻
止まっていると見過ごしてしまいそうですが、本当にダイナミックな動きをするので、クーラーで涼みながら、開演を待ちましょう。(開館時間中の毎時00分、20分、40分から)
エレベーターで10Fに上がります。 河原温の展示の冒頭に「あいち2022」のテーマになった「STILL ALIVE」に関して、とても気になる作品がありました。以前から、なぜ「I AM STILL ALIVE」なのだろうと、疑問だったのですが、そのヒントを見つけたように思います。
展示風景 河原温
上部が丸く、白くて大きな円筒形の作品です。時々、中から「トン」という音がします。 ネタバレするので、これ以上お話しできませんが、とても面白いと思います。ちなみに、大人より子供に人気があるそうです。
展示風景 ロバート・ブリア
鉄骨のようなものと、オレンジ色が目立つ箱が並んでいます。この箱を彫刻と思って見てみてください。思わぬ発見があると思います。
展示風景 カズ・オオシロ
8Fに降りると、ロビーにヤシの鉢植がたくさん並んでいます。見ようによっては、ヤシの鉢植が展覧会の行列に並んでいるように見えておもしろいです。言うまでもなく、これらの鉢植は境界として配置されているのではなく、れっきとした作品です。
展示風景 マルセル・ブロータース
作品全体を布やフィルムなどで覆ったインスタレーションも何点か見かけました。まるで新生活習慣に対応して、作品がシールドを張っているかのようです。
展示風景 シュエ ウッモン(チー チー ターとのコラボレーション )
ラーニングの展示室では、リサーチ・プロジェクトの成果が発表されています。美術展とは少し異なる雰囲気の展示ですが、井上唯の『“ほの国”を知るためのプロジェクト』が面白かったです。
展示風景 井上唯
愛知芸術文化センターではパフォーミングアーツ公演も行われます。 8月の『ユーロペラ3&4』、9月の『ジゼル』が楽しみです。その他、VR作品にも興味を惹かれるものがありますが、ヘッドセットが重くて、どちらかと言えば苦手です。
また、様々なガイドツアープログラムも用意されています。例えば、ベビーカーツアー、筆談ツアー、みえない・みえづらい方のためのツアー、多言語ツアーなどです。こちらは、事前申込が必要なので、詳しくは「あいち2022」のHPの「ニュース」か、「ラーニング」→「ガイドツアー」を参照してください。
→ 国際芸術祭「あいち2022」(レポート その2)
[ 取材・撮影・文:ひろ.すぎやま / 2022年7月29日 ]
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