世界中で、とりわけ日本で、子どもから、大人、小さいころに慣れ親しんでそのままずっと愛することをやまない大人までに愛されているピーターラビット™の展覧会が、あべのハルカス美術館で開催されています。
特に、今回の展覧会は、ピーターラビットシリーズの第1作『ピーターラビットのおはなし』が出版されて、2022年の今年で120周年となることをお祝いする、バースデイパーティのような展覧会です。
ピーターラビットが誕生するまで
ピーターラビットは、ビアトリクス・ポター™の作品であることはあまりに有名です。そのお話のもとになったのが、ビアトリクスの家庭教師の息子に送った絵手紙であると言われています。その直筆のオリジナル絵手紙が、日本初公開です。
わかりずらいかもしれませんが、じっくり見ると、絵本でお馴染みの構図、絵が、この絵手紙に描かれていることがわかります。2枚の紙の表裏に描かれ、四つ折りにすると絵本のような体裁になるようになっています。まさに、「ピーターラビット」誕生の瞬間です。それを間近に見ることができます。ピーターラビットファンにとっては、最高の瞬間です。
それと同時に、ピーターラビットが出版されるまでに、ビアトリクスが描いたペットのウサギをモデルにして描いたスケッチも展示されています。そのスケッチは、その後、グリーティングカードや詩集の挿絵・・・そして、ピーターラビットの絵本へとつながっていきます。
ピーターラビットの彩色原画が一堂に!
1902年に、『ピーターラビットのおはなし』は、フレデリック・ウォーン社から出版されることになります。その時、ビアトリクスは、全ての挿絵を水彩で描きました。出版にあたり、一部の挿絵は掲載されませんでしたが、出版100年目の2002年以降、英語版の絵本ではすべての挿絵が掲載されるようになりました。日本初公開の原画も含め、全ての原画が展示されています。
絵本に掲載されていない原画はどれかな・・と考えながら見ていくのも一興です。
出版120周年を祝う展示の工夫、造作を楽しんで!
今回の展覧会は、出版120周年を祝うバースデイパーティです。会場のあちこちに楽しい工夫がこらされています。一緒に楽しんじゃいましょう!
ビアトリクスの肖像の後ろの壁紙をご覧ください。ビアトリクスのおじいさんは、キャラコ染めで成功した人なのですが、そのキャラコ染めのパターンの一つだそうです。おじいさんの成功がなければ、ひょっとしたら、ピーターラビットも誕生していなかったかも?
ピーターが無理やり木戸の下から潜り込んでマクレガーさんの畑に忍び込むシーンがあります。その反対側がこれです。動画でお見せできないのが残念です。ピーターのお尻が、入り込もうともぞもぞ動いています。
お母さんウサギが、ピーターに青色のジャケットを着せるシーンです。まるでそのまま動き出しそうな精巧なつくりです。ここでは、一緒に写真が撮れます。絵本の世界に入り込んじゃいましょう!
とっておきは、ピーターラビットの世界を体験できるイギリス湖水地方のザ・ワールド・オブ・ビアトリクス・ポター・アトラクションが今回の展覧会のために特別に制作した高さ180cmのバースディケーキです。
そして、窓から見える湖水地方の風景!ピーターラビットを愛する人にとって、イギリスの湖水地方は聖地です。窓を覗けば、湖水地方に吹く風を感じられるかもしれません。
展覧会オリジナルグッズも楽しみ!
今回の展覧会では、特に、オリジナルグッズも楽しみです。いろいろあるので、財布のひもを、思い切りゆるめちゃいましょう!
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2022年7月1日 ]
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