アメリカンコミック最大級の出版社、DC。スーパーマン、バットマンなどスーパーヒーローを擁するDCの世界巡回展が、いよいよ名古屋にやってきました。 コミック原画、衣装、小道具など400点以上を一気に見ることができる、ファンにはたまらない機会ではないでしょうか。
会場看板
わくわくしながら会場に入ると、目に飛び込んでくるのがずらりと並んだDCコミックの年表。スーパーマン、バットマン、フラッシュのコミック初登場シーンも見ることができます。80年以上の歴史があるんですね。
展示風景
会場はエリアごとにわかりやすく色分けされています。 最初はブルーの「スーパーマンエリア」。 歴代スーパーマンのコスチュームを一度に見ることができるようになっています。
『スーパーマン』1978年 クリストファー・リーヴのコスチューム
コミックからそのまま飛び出してきたような初期の1978年型と、よりリアルに・強そうにデザインされた2013年型。こうして比較すると色だけでなく素材や形の違いがよくわかります。スーパーマンも進化しているんですね。
『マン・オブ・スティール』(2013年) ヘンリー・カヴィルのコスチューム
お次は黒で統一された「バットマンエリア」。 『ダークナイト・ライジング』でゴッサムシティに建てられたバットマンの記念像がお出迎え。まさに「闇の騎士」の雰囲気です。
『ダークナイト・ライジング』2012年 バットマンの像
1989年版『バットマン』でジャック・ニコルソンが演じたジョーカーのコスチューム。鮮やかな色づかいは、ちょっとコミカルなニコルソンのジョーカーにぴったり。
左『バットマン』1989年 ジャック・ニコルソンのジョーカーのコスチューム / 右『バットマン リターンズ』1992年 ダニー・デヴィートのペンギンのコスチューム
『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーは「狂気」が前面に押し出されたものでした。よく見ると、コートやベストの色はニコルソン版と同系色を使用しているんですね。しかし色あいの彩度を抑えることで、『ダークナイト』独特の世界観が表現されています。
展示風景 左は『ダークナイト』2008年 ヒース・レジャーが着たジョーカーのコスチューム
『ダークナイト』冒頭で銀行強盗たちが被っていたピエロのマスクも勢ぞろい。 下段中央の青髭のマスクをジョーカーが被っていました。マスクを外したジョーカーが恐ろしかった…。
『ダークナイト』2008年 クラウンマスク
コスチュームだけでなく、壁にはコミックの原画もたくさん展示されており、見どころいっぱい。コンピュータが無かった時代、コミック原画の吹き出しは切り貼りです。ところどころに修正ホワイトの跡も見えます。
『バットマン リターンズ』1992年 ミシェル・ファイファーのキャットウーマンのコスチューム
バットマンが闇を疾走するバットポッドも展示されています。 『ダークナイト』で初登場しますが、バットモービルからバットポッドが飛び出したときはびっくりしました。極太のタイヤの肩がすり減ってしまっているのが、アクションの激しさを物語ります。
『ダークナイト』シリーズに登場したバットポッド
さて、黒の次は赤のゾーンへ。『ワンダー・ウーマンエリア』です。 1941年にアメリカン・コミックスに初登場したスーパーヒロイン。 コミックからコンセプトアート、そして衣装へ、どのように映像化したのかを垣間見ることができる展示となっています。
『ワンダー・ウーマン』のコンセプトアートとコスチューム
DCコミックスの悪党が大集合の『スーサイド・スクワットエリア』。 ジョーカーやハーレイ・クインら魅力的なヴィラン(悪党)が特殊部隊「タスクフォースX」として活躍します。 映画の世界観がそのまま伝わってくるコンセプトアートが素晴らしい!
『スーサイド・スクワット』のコンセプトアート
原画から映画のコスチューム、アイテム、コンセプトアートまで総合的に見ることができる、大人から子供まで楽しめる展覧会となっています。
展示されているコスチュームは実際に俳優が着ていたもの。「意外と小さいなあ」とか、アクションで衣装が破れてしまっていたりとか、いろんな発見があります。
ここ名古屋が国内最終会場。DCファンも、バットマンしか知らない人も、ぜひ童心にかえってお楽しみください。
アーマードバットマンに睨まれました…
DC SUPER HEROES and all related characters and elements © & ™ DC WB SHIELD: © & ™ WBEI. (s22)
[ 取材・撮影・文:ぴよまるこ / 2022年3月7日 ]
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