愛知県美術館で「ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」展が始まりました。
展覧会のチラシには、カール・アンドレの作品イメージが使われていますが、会場入口の大きな垂幕には、作品でも作家でもなく、2人の人物のポートレイトが使われています。
会場入口
本展では、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの作家を積極的に紹介し、現在のギャラリー運営スタイルの先駆けでもあったドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻(写真の2人、フィッシャー・ギャラリーの創設者)に注目して、当時の美術の流れを見ていきます。
展覧会の見どころ
本展の作品は、どちらかと言えば、色彩や形状は地味です。というより、ホームセンターにありそうな部品が並んでいるように見える作品もあります。
会場風景
まるで、立体パズルのような作品もあります。周りの空間が広々としていて、気持ちがいい展示です。
会場風景
本展の作品の多くは、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の所蔵ですが、国内の美術館からも出品されているようです。河原温の作品は、名古屋市美術館の所蔵です。ゲルハルト・リヒターの作品は、東京都現代美術館の所蔵です。
見覚えのある作品を見かけたので、作品リストを見直して気がつきました。
会場風景
作品に使われているオープンリールのテープデッキとブラウン管テレビにも時代性を感じます。なんとも表現に困るけれど、嫌いではない不思議な空間構成です。
会場風景
当時の展覧会DMや展示風景の資料などもたくさん出ています。作品と同じくらい、時代性を感じることができて、おもしろいです。
本展は、見た時のびっくり感が大切な展覧会だと思うので、レポートは短めに切り上げようと思います。近くで見ないとわからない、楽しい仕掛けがいくつもあります。 続きは、ご自身で確かめてください。
展示室内の風景は、特別に許可を得て、掲載しています。
コレクション展
同時開催のコレクション展から、令和3年度新収蔵作品を数点ご紹介します。今回は、12名の若手作家の作品が収蔵されました。
まず目に留まったのは、平田あすかのとても大きな作品です。 動物や人間の周りに雲が浮かんでいて、全体としてどういう場面なのか、なかなか想像がつかない不思議な作品です。
会場風景 平田あすか
右側の映像の中でコピーされるあれこれと、左側の写真の関係性がとても気になる作品です。本当にこうやって制作されるのでしょうか。
会場風景 THE COPY TRAVELERS
左側の作品は、もともとは、きっとテーブルだったと思います。ですが、分解して、並べ替えると、なんとなく、2人で犬を散歩させている風景に見えます。
会場風景 玉山拓郎
その他にも、映像、立体など、幅広いジャンルの作品が収蔵されました。
地元の美術館に新しい作品が増えるのは楽しいことです。これからも、活発な収集が続き、多くの作家の方々が活躍することを願います。
[ 取材・撮影・文:ひろ.すぎやま / 2022年1月22日 ]
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