東京・府中市の東京競馬場にある「JRA競馬博物館」。1991年10月に開館し、競馬に関するさまざまな情報を紹介してきました。
昨年11月から改修工事のため休館となっていましたが、ついに完成。4月21日にリニューアルオープンしました。
館内は2フロア構成。1階のエントランスホールから左手に進むと、さっそく新しいアトラクションが2つ登場します。
奥の「ライヴシアター Thoroughbred」は、4面スクリーンと5.1chサラウンドによる、劇場型アトラクション。壮絶なデッドヒートとなった第83回日本ダービーの映像は、映像と音に包み込まれる大迫力です。
手前は「なりきりジョッキー」。椅子に座って自分の顔写真を撮り、勝負服(馬主服)を選ぶと、スクリーン上で自分の顔のジョッキーが登場。選んだ勝負服で白熱のレースが繰り広げられます。案内には「お子様向け」とありますが、予想以上にリアル。大人もぜひトライしてください。
建物の北側は、以前から人気の「競馬の殿堂」。JRA顕彰馬・顕彰者を展示しています。顕彰馬はクモハタからジェンティルドンナまで32頭。奥にはまだ空きスペースがあり、次に展示されるのは何になるでしょうか?
エントランスの右手は「馬の学び舎 ミュージアム・ホール」。通常はアニメ「馬物語」や、日本古来の馬事伝統芸能などが紹介されていますが、各種のイベントにも使われる予定。あのジョッキーの4000勝達成イベントが、そろそろ開催されるかもしれません。
1階続いて2階。展示室1の前には、ウオッカやディープインパクトと一緒に記念撮影ができるPhotoスポットが新設されました。
回廊型の展示室1では、300年に及ぶ世界と日本の競馬史を紹介。歴史に残る名馬の写真や、貴重な実物資料が並びます。先に進むと、JRAが実際にレースで使用しているスターティングゲートも展示されており、発走委員(スターター)気分で、ゲートを開ける事ができます。
展示室2では、JRA競馬開催の仕組みや、馬の誕生からデビューまでの道のり、「三大始祖」までさかのぼれるサラブレッド・サイヤーライン(父方の血統図)などを紹介。
「東京競馬場歴史絵巻」も、今回のリニューアルで新設されました。1933(昭和8)年の東京競馬場の開場から現在まで、絵巻のようにつづられた長い歴史の中から、好きな時代を選んでお楽しみいただけます。
もちろん、過去のレースが見られるコーナーも。1969(昭和44年)以降の中央競馬重賞競走と、JRA懸賞馬の栄光の蹄跡が視聴可能です。
2階もちろん、実際のレース観戦にあわせて見ていただいても構いませんが、競馬に詳しい方は競馬開催日以外の来館もオススメします。懐かしい映像も含めて、時間をとってお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年6月8日 ]