ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動しているアーティスト・KAWS(カウズ)。
彼が制作している、インパクトのあるキャラクターを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。KAWSの初期から最新作までを展示した、日本初の大型展覧会が開催中です。

《UNTITLED(COMPANION CLOSE UP)GREY》 2013年
1974年生まれのKAWSの本名は、ブライアン・ドネリー。「コンパニオン」を生み出した1990年代以降、絵画やストリートアート、デザインや巨大彫刻など多岐にわたる制作を行っていきます。

「KAWS TOKYO FIRST」展示会場
会場は、これまでの活動を見渡せる様に、異なるタイプの作品を並べ、制作された年代順ではなく作品同士が共鳴するように展示されています。
その中には、KAWSが保有するプライベートコレクションが集められたスタジオの様子が再現されたブースもあります。

KAWSのプライベートコレクションのあるスタジオを再現
KAWSの制作スタイルの確立や作風に影響を与えたものの一つに、日本の「ウラハラ」「オタク」などのサブカルチャーがあります。初めて来日した1997年以来、日本に訪れるのは50回近くなります。
今回の展覧会名「KAWS TOKYO FIRST」は、2001年に渋谷パルコで開催された自身日本初の個展と同じタイトルとして、20年を経た今、「原点回帰」という想いが込められています。

《KAWS and David Sims UNTITLED》 2001年
KAWSと言えば、アメリカのポピュラーキャラクターを代表するキャラクターをモチーフとして取り上げた作品が有名です。キャラクターの名前の頭文字を“K”に置き換えて、独自の世界観を生み出してきました。

「KAWS TOKYO FIRST」展示会場

「KAWS TOKYO FIRST」展示会場
ユニクロやアベイシングエイプ、ディオールなどのブランドとのコラボレーションも数多く展開。その作品は洗練されたユーモアを持ち、幅広い人々に愛されています。

「KAWS TOKYO FIRST」展示会場
AR体験しながら鑑賞をする作品も展示されています。
デジタルアートプラットフォームAcute Artのアプリをダウンロード。スマートフォンを動かすと、宙に浮かびあがるCOMPANIONは、展示室内のほかにも屋外でも楽しめむことができます。

KAWSにとってこの展覧会は、パンデミックから再出発するための新たな始まりだと感じているとのこと。
「これまで、写真やSNS、グッズなどで目にしたことがある方も、どれ位のスケールの作品かを会場で感じていただきたい。先入観なく、自分の好きなように鑑賞をして欲しい」と語っています。

《ORIGINALFAKE COMPANION》 2006年
会場を出ると、KAWSの代表的なキャラクターBFFを通じてインタラクティブな体験をできる空間も。BFFに変身した顔写真や動画をシェアしたり、BFFのために友達の絵を描くなど、子どもや家族で楽しめむことができます。
KAWSとコラボレーションした和菓子・ひよ子やマグ、思い出に残るグッズも豊富です。
[ 取材・撮影・文:古川 幹夫、坂入 美彩子 / 2021年7月15日 ]