
東京国立博物館 特別展「東福寺」会場 重要文化財《白衣観音図》吉山明兆筆 室町時代・15世紀 東福寺蔵 ※展示期間:4月11日~5月7日
京都を代表する禅寺の一つ、東福寺の寺宝をまとめて紹介する初めての展覧会が、東京国立博物館で開催されている。
東福寺は円爾(聖一国師)を開山に迎えて創建。寺の名は、奈良の東大寺と興福寺になぞらえて、その一字ずつをとったことに由来する。
展覧会では、応仁の乱による戦火を免れた文化財や、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像、書画類の優品などを一堂に展覧。
「画聖」とも崇められた絵仏師・明兆が30歳代で描いた記念碑的大作の、重要文化財《五百羅漢図》も、14年にわたる修理後、初めて現存全幅が公開されている(会期中、展示替えあり)。
4月11日(火)からは、同じく明兆が描いた、縦が3メートルを超える巨大な観音図、重要文化財《白衣観音図》が登場。当時の明兆は70歳代と最晩年の作品ながら、ダイナミックな筆捌きで「狩野派をはじめとする後世の画家たちにも大きな影響を与えた。その独創性は、“奇想”を200年先取りしたともいえる、アバンギャルドな作風」(高橋真作 研究員)で、観音が目の前にいるような臨場感を楽しむ事ができる。
また、4月4日(火)からは、南宋時代の高僧・無準師範が、弟子である円爾に与えた修行大成の証明書である、国宝《円爾宛印可状》の展示もスタート。この時代のもので現存する印可状としても貴重な逸品で「紙を用いることが多いが、こちらは絹本に書かれてサイズも大きく、無準にとって円爾が特別な弟子だったことが想像される」(六人部克典 研究員)という。
特別展「東福寺」は東京国立博物館 平成館で5月7日(日)まで開催。入館料は一般 2,100円など。事前予約は不要。4月15日(土)と16日(日)は「五百羅漢図」ホログラムステッカーのプレゼントも行われる(先着順1日500枚限定)。
東京会場の会期終了後は、京都国立博物館に巡回する(10月7日~12月3日)。

東京国立博物館 特別展「東福寺」会場 (左)国宝《円爾宛印可状》無準師範筆 中国・南宋時代 嘉熙元年(1237) 東福寺蔵 ※展示期間:4月4日~5月7日

東京国立博物館 特別展「東福寺」会場 重要文化財《五百羅漢図》東福寺蔵 ※画像内の幅の展示は4/16(日)まで

東京国立博物館 特別展「東福寺」会場