桜井浜江・田中田鶴子・桜井寛 三人展　－三鷹市所蔵作品より－

　桜井浜江は独立美術協会を中心に活躍する画家であり、田中田鶴子は新制作派協会を中心に活動した現代作家です。表現するものや活動の拠点となる団体は異なりますが、ともに女流画家の草分け的世代であり、創作活動をとおして人生を歩んできたそれぞれの生き方は、晩年をもってなお力強い作品によって象徴されています。さらに今回ご紹介するもう一人の作家桜井寛は、二人の女流画家の次世代にあたります。桜井浜江と同じく独立美術協会に属し、具象をモチーフにした油彩画で知られています。身近な静物を繰り返し描きながらその内面性を追求した独自の作風は、油彩画本来がもつ表現の可能性を示してくれます。