広島市現代美術館は、約2年3ヵ月の大規模改修工事を経て、2023年3月に迎えるリニューアルオープンに際し、記念特別展「Before/After」を開催いたします。全館を会場とする本展は、これまでを大切にしつつも、様変わりを果たした美術館の全貌を披露する機会でもあります。改修工事後の建物には、いくつもの変わった箇所がありますが、本展ではこのようになにかがきっかけとなって生じる、さまざまな「まえ」と「あと」の現象や状況に着目します。例えば、経年による物質の変化や劣化は、通常は否定的に捉えられがちですが、あえて肯定的に向き合ってみるとどうなるでしょうか。また、核兵器として利用された原子力が、その後、エネルギー源として世界に繁栄をもたらすと信じられたように、歴史を振り返れば、いくつもの分岐点としての出来事や決断があり、変更や変化が起こってきたことに気づくでしょう。本展は、アーティストによる鋭敏な眼差し、そして歴史的視座を通して、事物の前と後、あるいはそのあいだ、その重なり合いに迫ります。こうした探求にふさわしいアーティストたちを導き手とし、彼・彼女らの手による当館コレクション作品、さらには今回のために制作された新作を交えて紹介します。その体験の前と後では、ほんの少し、あなたのなにかが変わっている。そんな新たな広島市現代美術館にご期待ください。
【出品作家】
靉嘔、石内都*、伊藤公象、井上覚造、大岩オスカール、岡本太郎、デニス・オッペンハイム、オノ・ヨーコ、河原温、コウミユキ*、笹岡啓子、鴫剛、四國五郎、下道基行、新生タイポ・プロジェクト(岡澤慶秀、岡本健+)、SUPERFLEX、菅井汲、ナンシー・スペロ、髙橋銑*、高山良策、竹村京*、田中功起、田村友一郎*、蔡國強、土田ヒロミ、殿敷侃、毒山凡太朗*、2m26、シリン・ネシャット、ダラ・バーンバウム、浜田知明、ジョン・バルデッサリ、平田尚也*、吹田文明、キース・ヘリング、細江英公、松澤宥、南薫造、宮川啓五、ヘンリー・ムーア、森村泰昌、ヤノベケンジ、横山奈美*、若林奮、和田礼治郎*
*のついたアーティストは、本展のために新作を発表