びちゃ
1回目のパリはマチエール、2回目は線描という特徴が分かりやすい展示だった。2005年の練馬と重複する作品も多いが、あらためて佐伯はいいと思える展覧会だった。ブラマンク的、ユトリロ的、とも言われ、当然影響を受けているが、それを脱して自らのオリジナリティーを確立している。初期から共通している素早いタッチと荒々しさが短い人生と相まって見るものに脅迫的に迫ってくるものを感じる。画面全体は暗いものが多いが、決して陰鬱ではなく、洒脱な雰囲気が全体を覆っている。今回、東京ステーションギャラリーのレンガの壁に展示されているのも良かった。展示風景を撮影したかったが、撮影禁止は残念。