拓本「狩猟図」中国 後漢 1~3世紀
横浜ユーラシア文化館大きくジャンプする巨大な猪。そして、猪の後ろ足を長い棒状の武器で突く人と、弓矢で射止めようと追いかける人。
これは、約二千年前の中国、後漢の時代に石の表面に刻まれた画像の拓本です。
中国の漢の時代では、死者の霊魂は地下世界で暮らし続けると考えられていたため、墓室は地下に作られ、地上と同じ生活ができるようにと副葬品が整えられました。そして、石材を使った墓室の天井や壁は、神獣や吉祥のしるしである龍や鳳凰、今回ご紹介した狩猟の様子といった当時の人々の風俗習慣などが彫刻されました。
担当者からのコメント:人間に捕まらないように必死に逃げる猪。無事に逃げ切れたでしょうか?
漢の時代、狩猟は単に獲物を捕らえる活動ではなく軍事訓練の場でもあり、また、捕らえた獲物は必ず先祖の霊にささげるという習慣がありました。
この作品は、平成30年12月22日(土)から平成31年1月16日(水)まで横浜ユーラシア文化館2階常設展示室にて展示しています。写真ではよくわかりませんが、実物資料を見ると、画像を紙に写し出した時についた凸凹がよくわかります。是非、ご覧下さい。