一二支寄合咄(じゅうにしよりあいばなし)
明治開化期の初期の風俗を、十二支の集会に擬して風刺したもの。刊年を示す極印はやや崩れていて明瞭でなく、1872(明治5)年のようにも見えるが、図中の「とり」の詞に「ことしは、とりわけねんばんでいそがしい…」とあるので、翌年の1873(同6)年の可能性もある。丑(牛)が葱と餅をみるとぞっとする、と訴えれば、亥(猪)も仲間(豚)が寒くなると危険だと歎く。牛鍋を中心にした肉食の流行を扱ったものとして早いものといえよう。
「大堀哲記念ミュージアム・マネージメント推進賞」を受賞しました