野猪図目貫作者不明 江戸時代後期
林原美術館目貫は、日本刀の持つ部分である柄に、正絹や革で巻き込まれる金具です。本作は、横幅3.8cm 縦幅1.4cm、厚みが0.6cmの金無垢の小さな世界の中で、野性味あふれる猪たちが蠢動しています。
猪突猛進する猪たちは、いざという戦場に立つ侍にとって、難事に向かって一歩踏み出す勇気の象徴でもあります。
多産かつ順調に成長しやすい猪は、御家の存続を重要視する侍にとっては、とても縁起の良い動物です。
担当者からのコメント:目貫の猪に込められた意味は、現代の私たちにも励みになりますね。
多様な変化が求められる現代で、皆様の前に生じるつまずきに一歩前進出来るようお祈り致します。