庭園の犬マルタ・クロノフスカ 2014年
富山市ガラス美術館マルタ・クロノフスカはドイツとポーランドを拠点に作家活動を行っています。クロノフスカはデューラー、ルーベンス、ゴヤといった、著名な画家の絵画に登場する動物や、絵画の中の人物が履いている靴をモチーフに、ガラス片を用いて彫刻を制作し、インクジェットプリントした元の絵画と共に展示します。中でも犬はクロノフスカが度々取り上げているモチーフです。《庭園の犬》はスペインの画家Tomás Yepesによる絵画作品《Garden View with a Dog》に登場する犬の姿を、緑色のガラス片を組み合わせて生き生きと表現しています。ガラス片によって構築された犬の姿は、愛らしく見える一方で、人為的、危うさといった印象をも呼び起こし、元の絵画が暗示する時間の移ろいや人生のはかなさといったテーマと共鳴しています。
(撮影:末正真礼生)
担当者からのコメント:首をかしげるような佇まいや、ガラス片によって表現された柔らかな毛並みも魅力的な作品です。