唐犬図橋本関雪 1941(昭和16)年頃
足立美術館右の白と黒の斑がボルゾイ、左の二匹がグレーハウンド。「唐犬」とは舶来の犬という意味である。関雪は動物をたくさん飼っており、洋犬は30頭もいたという。画中の犬の首輪から推察すると、飼い犬をモデルに描いたのかもしれない。関雪の制作は犬を飼っているうちに画心を醗酵していくというやり方で、作品にする時はもう犬を見なくても、すでに頭の中で形が出来上がっていたという。時間をかけて動物を観察し続ける関雪の姿が目に浮かぶようである。
担当者からのコメント:関雪は昭和に入ると動物画を描くようになります。関雪の動物画は、まるで人間のように何か考えているような表情や、繊細に描かれた毛の表現が特徴です。「毛描きの関雪」と呼ばれるように、思わず触れたくなるような、柔らかな犬の毛並みにご注目下さい。本作は、現在開催中の冬季特別展にて展示中です(2/28まで)。