猿舞図葛飾戴斗 19世紀・江戸時代
根津美術館猿の絵は魔が「さる」縁起物として喜ばれましたが、特にこれは烏帽子をかぶり、御幣を手にしめ縄の下で踊るおめでたい姿。描かれたのは19世紀・江戸時代、作者は葛飾戴斗(たいと)です。墨と淡彩を用いた動きのあるしぐさや表情は、葛飾北斎の門人で、北斎が用いていた号を譲られた実力のなせるわざでしょうか。お正月らしいおおらかな楽しさにあふれたこの作品は、当館の2016年カレンダーの表紙を飾り、1月9日からの「松竹梅-新年を寿ぐ吉祥のデザイン」展で展示室6に展示予定。申年早々から活躍が期待される当館の一押しです。
担当者からのコメント:無邪気だけとはいいがたい、どこか人間くさい表情をぜひご覧ください。