蜂猿図森狙仙 江戸中期~後期
敦賀市立博物館5匹の猿が蜂の巣を囲んでいます。蜂をつまんでじっくり見ている猿、身体を掻いている猿、寝そべって観察する猿、母親に甘える子猿に、拳を握りしめている母猿…5匹の猿がそれぞれ違う行動をとっており、その意味は何だろう?と考えだすと色々な想像ができます。猿を描くことを得意とした森狙仙ですが、ふわふわとした毛並みや、猿の一瞬の表情をとらえたリアルな描写はまさに巧みで、その感情や心の中までも映し出しているようです。本図の画題「蜂猿」は、「蜂(ほう)」と、「猿」を「猴(こう)」とも書き、読みが「封(ほう)侯(こう)(諸侯に封ずること)」に通じることから、立身出世を意味する縁起の良いものです。