牙彫猿の桶作り置物静玉 明治時代
徴古館大正2年(1913)に11代侯爵鍋島直大(なおひろ)夫人の栄子(ながこ)が、昭憲皇太后より拝領した牙彫置物。擬人化された猿が身の丈よりも大きな桶作りに精を出すさまをあらわしている。桶の側面に底板をはめるための溝を削る親猿と、その傍らで鉋屑で遊ぶ子猿、桶の周囲には道具箱や槌を散らしている。
担当者からのコメント:擬人化された親子の猿。大きな大きな桶の輪の中で、小さい身の丈ながら精を出す親猿の真剣な眼差し。そして鉋屑(かんなくず)で遊ぶ子猿の無邪気さ。象牙で精巧につくられた、体の動きから細やかな表情まで見逃せない! 昭憲皇太后からの拝領品。