2022年秋、9月・10月・11月からスタートする、全国のおすすめ展覧会 ベスト10をご紹介。首都圏版はこちら
まず紹介するのは、ポップ・アートの旗手、アンディ・ウォーホルの大回顧展。門外不出の《三つのマリリン》や、大型作品《最後の晩餐》など日本初公開作品100点以上を含む約200点を紹介する「ANDY WARHOL KYOTO / アンディ・ウォーホル・キョウト」は、京都市京セラ美術館のみでの開催です。
北海道立近代美術館では、聖徳太子1400年御遠忌を記念した「【特別展】国宝・法隆寺展」を開催。法隆寺や中宮寺、聖徳太子ゆかりの斑鳩の諸寺に伝わる多数の国宝・重要文化財を含む宝物を紹介すします。
日本美術の中でも最も有名といえる国宝が福岡市美術館にやってきます。2021年、東京国立博物館での「国宝 鳥獣戯画のすべて」でも話題となった《鳥獣戯画》。兎や蛙、猿など擬人化された動物たちのコミカルな姿を描いた甲・乙・丙・丁全4巻を前・後期で展示する「国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術」は9月3日から。
ジャンルにこだわらず、様々な素材や技術を用いて自身の表現を追求する作家が増えている工芸作品。 石川県の国立工芸館では地域・デザイン・現代アートという3つの視点で工芸品を展示する「ジャンルレス工芸展」を開催します。
弘前れんが倉庫美術館では、弘前市出身の現代美術家・奈良美智(1959-)による展覧会が開催されます。美術館の前身となる煉瓦倉庫で過去3回された展覧会を、資料や写真、グッズ、映像を通して振り返ります。「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」は9月17日から。
岡山県市内では、9月30日から芸術祭「岡山芸術交流2022」がはじまります。初開催の2016年に以来、3回の目となる今回は25組のアーティストが参加。11月27日まで岡山城、岡山後楽園周辺エリアに国境、性別、世代を超えた人々が交わります。
大阪では、10月から「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」を開催します。1954年に結成された美術家集団、具体美術協会(具体)。具体の活動拠点「グタイピナコテカ」が建設された地、大阪・中之島にある大阪中之島美術館と国立国際美術館の2館同時開催で新しい具体像の構築をめざします。
1890年に開館した日本初の私立美術館「川崎美術館」。創設者・川崎正蔵は、日本・東洋美術の優品からコレクションを形成しましたが、1927年の金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸し、美術館の建物も水害や戦災によって失われました。川崎美術館の珠玉の作品を約100年ぶりに紹介する「よみがえる川崎美術館 ―川崎正蔵が守り伝えた美への招待―」が、神戸市立博物館で10月15日から開催されます。
11月から長野県立美術館では「戸谷成雄展」が開催されます。戸谷は、「もの派」以降解体されていった「彫刻」というジャンルを再構築した日本を代表する現代彫刻家です。展覧会では、出身地である長野で初となる個展であり、戸谷の活動の全貌を振り返ります。
水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、現代美術家・中﨑透が、独自の視点で出身地の水戸と水戸芸術館を読み解く美術館では初めてとなる個展がはじまります。初期の代表作、看板をモチーフとした作品やカラーアクリルと蛍光灯を素材につくる立体作品など、新旧の作品を織りまぜた「中﨑透 フィクション・トラベラー」は、11月5日からです。