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    レポート
    発掘された日本列島2014 日本発掘
    【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
    20年間の集大成、考古資料のオールスター
    日本で年間に行われる発掘調査は毎年約8,000件。全国的に注目された調査結果を紹介するのが、恒例の「発掘された日本列島」展です。今年は20回目の記念展、日本を代表する遺跡から考古資料が集結しました。
    江戸博のシンボル・日本橋を渡ると大型の埴輪が目に入ります
    後期旧石器時代の砥石と磨製石斧
    国宝《合掌土偶》
    日本最古、縄文時代のドングリを入れる編みかご
    縄文土器
    左から、直弧文鏡と家屋文鏡
    最古級のひらがな資料
    地域展「新宿に生きた縄文人」では、人骨から製作された縄文人の「復顔」も
    第2会場入口
    このコーナーでも毎年ご紹介している「発掘された日本列島」展(2013年2012年)。20周年の今年は会場も拡大、まずは第1会場の常設展示室6階 特設会場からご紹介しましょう。

    江戸博のシンボル・日本橋を渡ると目に入る大型の埴輪。旧石器時代から中世までの考古資料がずらっと並ぶさまは圧巻です。

    冒頭の日向林B遺跡(長野県信濃町)は、東京展だけでの紹介。約3万5,000年前の後期旧石器時代の遺跡で、現在確認されている遺跡では最も古い部類に入ります。

    この遺跡からは、砥石とともに磨製石斧を発見。多くの地域では新石器時代に出現するため注目を集めました。展示されている石斧の刃の部分は、驚くほど鋭利です。


    日向林B遺跡(長野県信濃町)から見つかった砥石と磨製石斧

    風張1遺跡(青森県八戸市)からは、国宝《合掌土偶》が出展。こちらも東京展だけでの紹介です。

    手を合わせて祈っているように見えることからこの名で呼ばれますが、体育座りの姿勢は紐などを握って出産している姿という説もあります。


    国宝《合掌土偶》

    宮内庁からも、極めて価値が高い銅鏡2点が特別に出展されました。

    1点目は佐味田(さみた)宝塚古墳(奈良県北葛城郡河合町)から出土した家屋文鏡(かおくもんきょう)。背面に異なる四棟の建物が描かれており、このような鏡は現存唯一。考古学はもとより、建築史や美術史においても極めて重要な銅鏡です。

    もう1点は新山古墳(奈良県北葛城郡広陵町)から出土した直弧文鏡(ちょっこもんきょう)。直線と弧線を組み合わせた直弧文は、日本の古墳時代特有の文様です。


    家屋文鏡と直弧文鏡

    第2会場は、通常の列島展が行われている常設展示室5階 第2企画展示室。近年注目された旧石器時代から近世までの発掘調査の成果を速報展示します。

    全国巡回する本展。例年は東京展からの開催ですが、今年は東北歴史博物館に次いで2会場目です。ちょうど夏休みシーズンにあたるため、多くの人にお楽しみいただけると思います。


    常設展示室5階 第2企画展示室

    第2会場にも注目の考古資料が並びますが、ここでは平安京右京三条一坊六町「西三条第(藤原良相邸)」(京都市)をご紹介。仮名文字が描かれた器が見つかり、新聞などでも話題になりました。

    平仮名は10世紀に成立したとされていましたが、発掘された資料は9世紀後半のもの。ただ、10世紀の仮名文字とは異なる点も多く、まだ十分に判読できていません。


    最古級のひらがな資料

    20年間におよぶ調査の中で忘れてはならないのが、2000年に発覚した前期旧石器時代遺跡の捏造事件。これまでの列島展のポスターにも捏造された遺跡が掲載されているものがありますが、ただし書きを入れた上でそのまま紹介されています。事件も含めて、20年の歴史。発掘調査の成果と埋蔵文化財の意義についても、改めて考えさせられます。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年7月25日 ]

    発掘された日本列島2014 新発見考古速報

    文化庁 (編集)

    朝日新聞出版
    ¥ 1,800


    ■発掘された日本列島 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2014年7月26日(土)~9月15日(月)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:30
    ※入館は閉館の30分前まで。
    休館日
    8月4日(月)、9月1日(月)
    住所
    東京都墨田区横網1-4-1
    電話 03-3626-9974(代表)
    公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
    料金
    常設展観覧料でご覧になれます。
    一般 600円(480円)/大学生・専門学校生 480円(380円)/中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円(240円)/中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童 無料
    *(  )内は20人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
    *次の場合は常設展観覧料が無料です。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
    *毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は常設展観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください。
    *家族ふれあいの日(8月16日・17日)に観覧の、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住)2名の料金が半額となります。
    展覧会詳細 「日本発掘―発掘された日本列島2014―」 詳細情報
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