岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
展覧会概要
セラミックパークMINO入口
岐阜県多治見市の岐阜県現代陶芸美術館で「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ」展が開催されています。
小村雪岱(こむら せったい)は、大正から昭和初期にかけて活躍しました。
埼玉県出身、東京美術学校(現東京藝術大学)で、下村観山に師事しました。卒業後、装幀家として泉鏡花の「日本橋」(千章館)を手掛け、好評を得ました。
現代陶芸美術館と日本画作家の展覧会の組み合わせが意外だったことと、今展の監修が明治学院大学の山下裕二教授ということに興味を惹かれ、出かけてきました。
展示室にて
美術館ロビー
ロビーには、かわいらしい足跡で展示室への順路が表示されています。
展示室は多くの小部屋に分かれていて、反時計回りに進みます。こぢんまりした展示室の空間と小ぶりな作品のサイズがちょうどよく釣り合っていました。
小村の多種多様な作品の印象からすると、日本画家というより、センスのいいデザイナーといったほうが良さそうです。
そういえば、展示テーマの区切りに、作品の一部をクローズアップした縦長の垂幕が掛けられていて、それがどの作品から引用されているか、探すのも面白かったです。
小村の作品以外に、鈴木春信、柴田是真、並河靖之、東京モダンの系譜につながる現代作家の作品も展示されています。
コレクション展入口
同時開催されているコレクション展は、ちょっと変わっていて、タイトルは「題名のない展覧会」です。
こちらで展示されているのは、すべて陶芸作品です。
多様な形、色の作品が並んでいますが、すべてキャプションがついていません。
作品の印象から、鑑賞者がタイトルを考えるという趣向ですが、正解するのはかなり難しいと思いました。
答合せにこだわらず、だれかと相談しながら見て回ると楽しそうなので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
閑話休題
今回は、JR多治見駅からバスを利用しました。
途中に「シュウドウイン」というバス停があり、珍しい地名(?)と思い、調べてみたら、付近にある多治見修道院にちなんだ呼名でした。
そういえば白壁に赤茶の屋根の立派な建物を見かけた気がします。
多治見修道院では、国内の修道院では珍しくワインを作っています。11月にはワインフェスタがあるそうです。
エリアレポーターのご紹介
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ひろ.すぎやま
近現代美術、演劇、映画をよく見ます。
作品を見る時は、先入観を避けるため、解説などは後から読むようにしています。
折々に、東海エリアの展覧会をレポートしますので、出かけていただく契機になれば幸いです。
名古屋市美術館協力会会員、あいちトリエンナーレボランティア。
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