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    レポート
    奇跡のクラーク・コレクション -ルノワールとフランス絵画の傑作-
    三菱一号館美術館 | 東京都
    印象派だけでなく、アカデミスムも注目
    まとまって館外で展示されることがなかったクラーク美術館のコレクションが、増改築工事に伴う世界巡回展で来日。日本人が目にする事が少なかった「奇跡」の絵画が、三菱一号館美術館で紹介されています。
    ≪劇場の桟敷席(音楽界にて)≫ ピエール=オーギュスト・ルノワール 1880年
    ≪ルイーズ・アルデュアン≫ カミーユ・コロー 1831年 (右)
    ≪モレのロワン川と粉挽き場、雪の効果≫ アルフレッド・シスレー 1891年 (左) / ≪ピ付近のセーヌ川堤≫ アルフレッド・シスレー 1880-81年頃
    ≪ポントワーズ付近のオワーズ川≫ カミーユ・ピサロ 1873年 (左) / ≪道、雨の効果≫ カミーユ・ピサロ 1870年
    ≪菊≫ ジェームズ・ティソ 1874-76年頃
    ≪座る裸婦≫ ウィリアム・アドルフ・ブグロー 1884年 (左) / ≪蛇使い≫ ジャン=レオン・ジェローム 1879年頃
    ≪待つ≫ アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 188年頃 (左)
    会場
    ≪鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)≫ ピエール=オーギュスト・ルノワール 1882年 (左)
    シンガーミシン創業者の孫であるスターリング・クラークと妻フランシーヌが収集したコレクションを紹介するクラーク美術館は、1955年に開館しました。

    美術館の知名度は日本では高いとは言えません。美術館は米国マサチューセッツ州のウィリアムズタウンの森の中にあり、アクセスはボストンから車で約3時間。日本人観光客が気楽に訪れるような場所ではないのです。

    コレクションは19世紀欧米の美術、工芸、写真など幅広く、中でもフランス絵画の充実ぶりには定評があります。

    本展は2010年からの同館増改築工事に伴う世界巡回展で、欧州や北米を巡っていよいよアジアへ。三菱一号館美術館での本展が、アジアでの初回となります。


    冒頭はカミーユ・コローから。ほぼ年代別の展示です

    出品作は73点で、すべて油彩画。ルノワールの22点をはじめ、ピサロ7点、モネ6点、シスレー4点など、印象画のオールスターが揃いました。

    こちらはエドガー・ドガ。ドガは印象派展に参加しましたが、他の印象派の画家とは異なり、戸外ではなく室内の人物画も多く描きました。得意の踊り子の作品も含めて、展覧会では4点が紹介されています。


    ドガは4点

    そして、壁一面にずらっと並ぶピエール=オーギュスト・ルノワール。ミニ・ルノワール展ともいえる装いです。

    頬杖をついてこちらを見つめる少女が魅力的な作品は、展覧会メインビジュアルの≪劇場の桟敷席(音楽界にて)≫。実は右上部の茶色いカーテンの部分には、第3の人物(男性)が描かれていました。よく見ると、その痕跡が肉眼でも分かります。


    ルノワールの作品がずらり

    展覧会の広報では人気のルノワールと印象派が前面に出ていますが、同様に注目したいのがアカデミスム絵画の優品です。

    美術史の流れから、後年には不当に低評価となったアカデミスム絵画ですが、卓越したデッサン力の優美な絵画は見事。理屈抜きの美しさです。


    ウィリアム=アドルフ・ブグロー≪座る裸婦≫など

    アルフレッド・ステヴァンスの≪公爵夫人(青いドレス)≫も、小品ながら味わい深い一点。背景の屏風やテーブルクロスからは、当時の熱狂的な日本趣味が伝わってきます。


    アルフレッド・ステヴァンス≪公爵夫人(青いドレス)≫など

    ちなみにクラーク美術館の増改築を手掛けているのは、安藤忠雄さん。日本人建築家の仕事がもたらしてくれた、日本で見られる奇跡の名画。フランス絵画の見本市のような豪華な展覧会をお楽しみください。

    なお、本展は兵庫県立美術館に巡回(2013年6月8日~9月1日)。その後には上海、ソウルと巡ります。(取材:2013年2月8日)

    大人の塗り絵 ルノワール編

    ピエール=オーギュスト・ルノワール (著)

    河出書房新社
    ¥ 998

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2013年2月9日(土)~5月26日(日)
    会期終了
    開館時間
    10時~18時 / 金(祝日を除く)のみ10時~20時
    ※10/5より開館時間が変更になりました。
    ※いずれも最終入館は閉館30分前まで
    休館日
    月曜(祝日の場合は18:00まで開館、翌火曜休館。但し5月20日(月)は開館)
    住所
    東京都千代田区丸の内2-6-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://mimt.jp/clark
    料金
    【一般】
    前売券 1,300円※大学生以下は前売券の設定はありません
    当日券 1,500円
    【高校生・大学生】
    1,000円
    【小・中学生】
    500円
    ※詳細は三菱一号館美術館ホームページをご覧ください。
    展覧会詳細 「奇跡のクラーク・コレクション -ルノワールとフランス絵画の傑作-」 詳細情報
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