古今東西、絵本や物語にさまざまな姿で描かれてきたオバケ。小さな頃からオバケは遠くにいるようでどこか身近にも感じる摩訶不思議な存在です。そんなオバケの世界を楽しむことのできる体験型の展覧会「オバケ?」展が、東京都立川市にあるPLAY! MUSEUMで開催されています。
展覧会場入口
会場入口前には、子どもだけしか入れない「オバケ工場」があります。わが家の子どもたちも入ること数分。はっきりとそれとわかるオバケが生産されてきました。オバケができるまでの工程は子どもたちだけの秘密のようです。
子どもたちはオバケのまま展覧会をまわることができる
プロローグの部屋を過ぎると「普通に怖いオバケ屋敷」ゾーンを通らなければなりません。三面鏡に、古井戸に、古箪笥など、怪談話には欠かせないものが並び、いかにも出る雰囲気です。怖がりの娘は進むことができず抱っこになりました。
普通に怖いオバケ屋敷内のようす
せな けいこ作・絵『ねないこだれだ』を落語家の春風亭一之輔さんが朗読するオバケ落語の部屋もありました。薄暗い部屋の中、ひらひら揺れる幕に映る春風亭一之輔さんの姿だけでも雰囲気がありましたが、おどろおどろしい声色の迫力は暑さを忘れるほどでした。夜、さっそく真似をして読み聞かせてみましたがまったく怖がられませんでした。落語家さん恐るべしです。
オバケ落語の部屋入り口
妖怪やオバケが大好きなブックデザイナーの祖父江慎さんがつくる「オバケ湯」では、暖簾をくぐった先に大きな湯船があり、子どもたちはボールプールならぬオバケプールの中で遊ぶことができました。オバケと銭湯という不思議な組み合わせです。
オバケ湯の入口
「オバケ研究所」なるスポットでは、様々な分野の作家・クリエイターがオバケ研究員に就任し、その研究の成果が展示されていました。子どもたちもオバケの研究に興味津々でした。
目でも楽しいオバケに関する研究成果が並ぶ
研究所内では、オバケ研究所特別研究員の広松由希子さんが選書した、古今東西のオバケ絵本500冊が展示されています。それにしてもオバケに関するものだけでこんなに絵本があるとは驚きです。
古今東西のオバケ絵本
一部の絵本は椅子に座ってその場で読むことができます。子どもたちは読みたい本を手に取って読んでは戻しての繰り返しで、ここだけでもずっと過ごすことができるほどです。オバケになった兄は、弟に読み聞かせをする優しいオバケの一面も見せていました。
気になった本はその場で読むことができる
以上、オバケについて見て、感じて、知って、変身できる体験型の展覧会でした。どれもここでしか経験できないものばかりです。ぜひ暑い季節にちょっと涼しくなるオバケの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
なお、PLAY! MUSEUMの一つ上のフロアは、PLAY! PARKとして身体を使った遊びやワークショップが楽しめる施設となっています。現在は「オバケ?」展にちなんで建築資材を活用した遊具「ヌードルおばけ」で遊べる他、様々な関連企画が開催されますので是非合わせてチェックしてみてください。
ヌードルおばけで遊ぶ子どもたち
[ 取材・撮影・文:かとうあつし / 2024年7月27日 ]