歌手、作詞家、キャスター、司会者、俳優など幅広く活躍を続けている櫻井翔。20年以上にわたってトップアイドルとして走り続ける中、ブログの執筆やラップ詞の制作、Newsweek 日本版への寄稿など、自身の言葉でさまざまなことを発信しています。
櫻井の「言葉」をテーマにした本展。昨年、六本木ミュージアムで開催された展覧会に新コンテンツが加わり、さらにパワーアップしました。
PLAY! MUSEUM「櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!」会場入口
会場冒頭は「オトノハ」。櫻井は2008年からブログ『オトノハ』を連載しており、ここでは15本の『オトノハ』が展示されています。読み進めていくと、櫻井の人となりが伝わってきます。
オトノハ
続く「ことば工場」は、驚きのラップ製造マシン。PLAY! MUSEUMの入場特典で、ひとり1枚配られる「ことば工場カード」をマシンにかざすと言葉が積み上がり、5枚溜まると、櫻井がその言葉をつかったラップで語りかけます。
PLAY! MUSEUMから加わった新コンテンツです。
ことば工場
「NO MORE WAR」では、Newsweek日本版(2021年12月14日号/21日号)に掲載された特集を資料写真とともに展示。
祖父・櫻井三男の8歳上の兄で、櫻井にとって大伯父にあたる櫻井次男は、昭和20年に海軍士官として南シナ海、ベトナム東岸沖で戦死。櫻井は遺族の視点から、反戦を伝えます。
NO MORE WAR
「来年も再来年も」は、東日本大震災後の取材映像。櫻井は『news zero』(日本テレビ系)で被災地の取材を重ねており、番組映像を展覧会用に編集して紹介しています。
来年も再来年も
「サクラップサウナ」は、その名のごとくサウナ状のコンテンツ。サウナを模した空間で、櫻井自身が作詞したリリック(ラップの歌詞)を櫻井の声で浴びるように聞きます。
最後は櫻井のピアノ独奏と風景写真でクールダウンしてください。
サクラップサウナ
「すきのあいうえお」は、「あ」から「ん」まで櫻井の好きなもの45個が並ぶ展示。2023年4月にPLAY! MUSEUMで開催された「谷川俊太郎 絵本★百貨展」で谷川俊太郎が取り組んだ新作絵本『すきのあいうえお』の、櫻井バージョンです。
櫻井翔の『すきのあいうえお』
「SHO ROOM」では、櫻井の言葉をつくってきた貴重な私物を展示。『オトノハ』をしたためてきた歴代のガラケー、オリンピックや報道番組での取材メモなどが並びます。
SHO ROOM
「僕です。」は、お茶目なエピソードやとっておきの大切な話など、等身大の櫻井が表れる言葉に、イラストレーターの秦直也が動物の挿絵をつけた展示。こちらもPLAY! MUSEUMから加わった新コンテンツです。
僕です。
もうひとつ、写真ではご紹介できませんが「ありがとうの交換。的な。」は、櫻井が文を、AYAKA FUKANOがイラストを担当した“絵と言葉の本”。巨大な絵本型のスクリーンで紹介される展示です。
ミュージアムショップには展覧会オリジナルのグッズもずらりと揃っています。
ミュージアムショップ
PLAY! MUSEUMに併設されている子どもの遊び場・PLAY! PARKは、展覧会の会期中は、親子(小学生以下)の鑑賞者に限り無料で体験可能(大人のみは不可)。そしてなんと、櫻井は本展のために「PLAY! PARKのうた」も書き下ろしたという力の入れようです。
決して強がらず、知ったかぶりもせず、そしてユーモアやサービス精神も忘れない、等身大の櫻井の言葉に溢れた会場。意外なほどスッと響いてきます。「嵐の櫻井翔が語った…」という先入観から一歩離れて、むしろファン以外の方こそ見てほしい展覧会です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2024年1月17日 ]