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    ガウディとサグラダ・ファミリア展
    名古屋市美術館 | 愛知県

    名古屋市美術館で「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が始まりました。 サグラダ・ファミリア聖堂は、その独特な外観でご存じの方も多いと思います。未完の聖堂とも呼ばれ、世界遺産にも登録されている建築群ですが、いよいよ完成が近づいてきました。



    公園入口の案内


    本展では、アントニ・ガウディの代表作として知られるサグラダ・ファミリア聖堂を中心にガウディの造形の独創性と、聖堂の完成までの軌跡を図面や模型、写真などでたどります。

    ガウディとその時代

    展示の冒頭には、《ガウディ・ノート≫が置かれています。小さなものですが、本展のエッセンスのような言葉が、ちりばめられています。ガウディの生きた時代には、世界大戦や内戦があり、破壊され、散逸した資料も多いのですが、このノートが残っていたことは、とてもうれしく思います。



    ガウディとその時代 《ガウディ・ノート≫ 1873-79 レウス市博物館


    展示室を進むと、古そうな書籍が並んでいます。若いころのガウディが目にしたかもしれない資料だそうです。アラビア風の細かなモザイク模様が目を引きます。また、展示ケースの中の書籍の大きさには本当に驚かされます。



    ガウディとその時代


    ガウディの創造の源泉

    目線より少し高い位置に、目立つように置かれた卵のような作品を見て、これはどこの飾りだろう?と思いました。説明を見ると、《フィンカ・グエル、換気塔(門番小屋上部)模型≫とあります。換気塔とは思えない、優しい色合いの装飾だと思います。



    ガウディの創造の源泉 《フィンカ・グエル、換気塔(門番小屋上部)模型≫ 1984-85 西武文理大学


    名古屋会場のみ展示されるカサ・ミラの図面について、おもしろいエピソードを聞きました。図面の上部を見るとマリア像が描かれていますが、実際の建物には描かれていません。敬虔なキリスト教徒であるガウディは、マリア像を描きたかったようですが、施主から断られたのかもしれません。

    もし、マリア像が描かれていたら、建物の玄関を出入りするたびに、少しかしこまった気持ちになることでしょう。



    ガウディの創造の源泉 《カサ・ミラ、正面図(建築許可申請)≫ 1906 ガウディ記念講座


    サグラダ・ファミリアの軌跡

    階段を下り、「サグラダ・ファミリアの軌跡」の展示室に入ります。展示室の一部は撮影OKということで、記念撮影をする来館者でにぎわっています。

    こちらの展示室には、塑像(断片)が多数、展示されています。スペイン、バルセロナの現地に行くと建物の上部に設置され、よく見えない作品を目の前で鑑賞できることは、とても興味深いです。



    サグラダ・ファミリアの軌跡


    ガウディの作品ではありませんが、降誕の正面の入口の上部に1990年から2000年まで、実際に飾られていた彫像も展示されています。 展示室の優しい照明に比べ、現地の太陽の光の下では、どのような表情をしていたのでしょうか。



    サグラダ・ファミリアの軌跡 《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち≫ 作家蔵(外尾悦郎氏)


    ガウディの遺伝子

    最後のコーナーに、ガウディに影響を受けた、あるいはガウディのように異彩を放つ建築も紹介されています。それを見ていると、それぞれにとても特徴のある建築ですが、ガウディに似ているのは、ガウディしかいないのではないかと思いました。

    (展示室内の写真は特別に許可をいただいて撮影しています)


    コレクション展 猛獣画廊壁画修復プロジェクト修復完了報告展

    2022年からはじまった猛獣画廊壁画の修復が完了し、地下の展示室でお披露目されています。本プロジェクトでは、修復作業の様子を来館者に公開していたので、白衣の担当者がいろいろな道具を使い、作品修復に取り組んでいる場面をご覧になった方もいると思います。

    2024年1月13日 午後2時より、壁画修復プロジェクトのリーダーを務めた成田朱美氏による「修復完了報告会」が、名古屋市美術館2階講堂で行われます。



    太田三郎 《東山動物園猛獣画廊壁画No.1≫「北極・南極」


    美術作品も物質なので、大切に保管していても、時間の経過とともに、痛みが出てきます。素敵な作品を、多くの来館者と、長く楽しむために、定期的なチェックと修復は必要です。 報告会では、3点の壁画をどのように修復したのか、興味深いお話を聞くことができると思います。(最新の情報は、美術館HPをチェックしてください)

    余談ですが、ガウディ展のミュージアムショップもよく混んでいます。陳列棚の所々に「名古屋会場限定」のカードがあったので、担当者に人気のグッズを聞いたところ、表紙にサグラダ・ファミリア聖堂の写真を掲載したリングノートが人気だそうです。



    陳列棚下段手前が人気の「名古屋会場限定」ガウディ展リングノート


    その他、「名古屋会場限定」Tシャツもあります。 あなたも、おみやげにいかがですか。

    [ 取材・撮影・文:ひろ.すぎやま / 2023年10月5日 ]


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    会場
    名古屋市美術館
    会期
    2023年12月19日(火)〜2024年3月10日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入場は16:30まで)
    毎週金曜日は~20:00まで(入場は19:30まで、祝日の場合は除く)
    休館日
    月曜日(祝日の場合は直後の平日)、年末年始、臨時休館あり
    住所
    〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-17-25 (芸術と科学の杜・白川公園内)
    電話 052-212-0001
    公式サイト https://gaudi2023-24.jp/
    料金
    一般:1,400円[1,200円]/高校・大学生: 1,000円[800円]/中学生以下無料
    *[ ]内は前売券及び20名以上の団体料金及びオンラインチケット料金
    展覧会詳細 「ガウディとサグラダ・ファミリア展」 詳細情報
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