魔夜峰央による人気コミック「翔んで埼玉」。2019年に実写映画化され、徹底的に埼玉をディスりながらも埼玉愛に溢れる作品は、大きな反響を呼びました。
劇場映画第2弾となる『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』の公開を前に、「翔んで埼玉」の世界を紹介する展覧会が、EJアニメミュージアムで始まりました。
EJアニメミュージアム「翔んで埼玉展」会場入口
会場のEJアニメミュージアム(ところざわさくらタウン内)は、もちろん埼玉県(所沢市)。映画の主役を務めた二階堂ふみさん(壇ノ浦百美役)も「所沢開催とのことで聖地巡礼の一つになりますし、ぜひご来場を」と呼びかけています。
展覧会のイントロダクションは「都会指数検定」体験。簡単なクイズかと思いきや、徐々に難しくなり、最後は超難問に。クイズは変わりますので、何度もお楽しみいただけます。
イントロダクション「都会指数検定」
展覧会の第1章は「企画・設定」です。「翔んで埼玉」の映画化企画がスタートしたのは2015年。原作コミックのインパクトと面白さに感銘を受けた武内英樹監督が、自身が千葉県人だったこともあり「埼玉と千葉の関東圏第3位争いの物語」として若松央樹プロデューサーに提案。地方をディスるだけではなく、応援していくエンターテイメント作品として企画が進んでいきました。
第1章「企画・設定」
第2章は「脚本」。脚本は徳永友一が担当。原作は未完だったこともあり、脚本にはオリジナルの要素が加えられています。
映画を通して描かれる埼玉に対してのディスりが不快に思われないように、埼玉県在住の家族が、カーラジオから流れる都市伝説を聞くという、入れ子構造のストーリーで映画は進行。会場では前作の印象的なシーンが展示されています。
第2章「脚本」
第3章は展覧会の大きな見せ場といえる「背景美術」。映画に登場した美術セットが多数展示されています。
映画で美術を担当したのは、「踊る大捜査線」シリーズや「マスカレード・ホテル」などを手掛けた棈木陽次。“映像として美しく麗と百美(主役のふたり)を引き立てる”ため、各県の要素は借りつつも、本物とは異なり、見たこともない架空の世界を作り上げました。
流行遅れのグッズが溢れる埼玉解放戦線のアジトや、劇中で「埼玉の植民地」とされている池袋屋上をお楽しみください。
第3章「背景美術」 埼玉解放戦線のアジト
第3章「背景美術」 池袋屋上
第4章は「キャスティング・撮影」。物語の主役である白鵬堂百美を演じたのは、二階堂ふみさん。原作では男子高校生なので、映画では女性に変更するプランもありましたが、原作どおり男子として進められました。
もう一人の主役である麻実麗は、武内監督の「キャスティングも何もかも無茶苦茶にしたい」というオーダーのもと、GACKTさんで決定。前作では東京都庁前を完全封鎖し、のべ3日間、1,000人のエキストラを使った前代未聞の撮影になりました。
このエリアでは、新作映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』のシーンも一部展示されています。
第4章「キャスティング・撮影」
第5章は「人物・衣装デザイン」人物デザイン監修、衣裳デザインは、「シン・ゴジラ」「シン・仮面ライダー」などを手掛けた柘植伊佐夫です。
衣装のコンセプトは「宝塚感」で、各キャラは原作のスタイルを踏襲しつつ、それぞれのキャストのイメージも融合させてつくられています。
第5章「人物・衣装デザイン」 ※展示は変更になる場合があります
第6章は「原作『翔んで埼玉』」。1982年から花とゆめで連載が始まった「翔んで埼玉」。作者は「パタリロ!」で知られる魔夜峰央で、当時は所沢に住んでいました。後に神奈川に転居したこともあって連載は中断。未完の作品になっています。
会場最後にはオフィシャルショップ。パッケージに「さいたまホイホイ」があしらわれた『展覧会に行ってきましたクッキー』(1,188円)や、前作の名セリフ「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」にちなんだ『そこらへんの草柄ネクタイ』(7,700円)など、楽しいオリジナルグッズが並びます。
オフィシャルショップ
展覧会の入場者には限定のオリジナルステッカーもプレゼント。ステッカーのデザインは、住所が埼玉の人は「世界埼玉化計画」、埼玉以外の人は「埼玉県人警戒中」となります。
映画とセットで楽しみたい展覧会、映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』は11月23日(木・祝)公開です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2023年11月14日 ]