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    レポート
    未来を担う美術家たち 21st DOMANI・明日展
    国立新美術館 | 東京都
    サブタイトルは「平成の終わりに」
    若手芸術家等を対象に、文化庁が海外研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」、その成果を発表する恒例の「ドマーニ・明日展」が、国立新美術館で開催中。今回は「平成の終わりに」がサブタイトルです。
    蓮沼昌宏
    和田的
    村山悟郎
    松原慈
    木村悟之
    志村信裕
    白木麻子
    加藤翼
    三瀬夏之介

    この項では、2013年の15回展から紹介している「DOMANI・明日展」(15th 201317th 201518th 201619th 201720th 2018)。今回は昭和50年代に生まれ、平成時代に表現者を目指した9作家とゲスト作家、あわせて10人の作品が並びます。ここでは目にとまった作品をご紹介しましょう。


    蓮沼昌宏(1981-)さんの作品は、いわゆるパラパラ漫画(フリップ・ブック)。19世紀後半に考案された、ハンドルを回す事で絵が動く装置「キノーラ」で、さまざまな物語を表現していきます。プリミティブな手法が、逆に心地よく感じられます。


    麻紐などでつくられ、一見すると民具のようにも思えるのき村山悟郎(1983-)さんの作品。雪の結晶、アリの巣など、有機的なプロセスやパターンを、絵画やドローイングを通して表現しています。



    展覧会のメインビジュアルは、加藤翼(1984-)さんの作品。巨大な建造物をロープを使って大勢で引っ張り上げるアートプロジェクトは、「カタストロフと美術のちから展」でも紹介されていました。傑作なのが《Woodstock 2017》。ゴムで引っ張られながら合衆国国家を演奏する映像作品です。


    展覧会最後は、ゲスト作家の三瀬夏之介(1973-)さん。すでにキャリアを積んでいますし、本研修制度とは別の制度による滞在経験(フィレンツェ)を持つのでややイレギュラーですが、ダイナミックな作品は圧巻。逆さの日本地図には、東日本大震災が同心円状に記されています。


    「DOMANI・明日展」を経た作家が、後に公立美術館で大きく取り上げられる例もしばしば見られます。「先物買い」の意味でも要チェックです。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年1月21日 ]


    日経おとなのOFF 2019年 1月号日経おとなのOFF 2019年 1月号

    日本経済新聞社(編)

    日経BP社
    ¥ 820

    会場
    会期
    2019年1月23日(水)~3月3日(日)
    会期終了
    開館時間
    <企画展>
    10:00~18:00
    ※当面の間、夜間開館は行いません。
    ※入場は閉館の30分前まで
    <公募展>
    10:00~18:00
    ※美術団体によって、異なる場合があります。
    ※入場は閉館の30分前まで
    休館日
    火曜日
    住所
    東京都港区六本木7-22-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://domani-ten.com/
    料金
    一般 1,000(800)円 / 大学生 500(300)円

    ※2019年2月24日(日)は天皇陛下御在位30年を記念して入場無料
    ※高校生、18 歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料
    ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
    ※団体券は国立新美術館でのみ販売(団体料金の適用は20名以上)
    ※前売券は、オンラインチケット(手数料無料)、ローソンチケット(Lコード:33819)、イープラスでお求めください。(2018年12月1日(土)から2019年1月22日(火)までの販売。以降は当日券のみの取扱い。手数料がかかる場合があります。)
    ※国立新美術館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館、森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は団体料金でご覧いただけます。
    【ツインチケット】
    1,200円(税込)
    会期中いつでも利用可能な観覧券2枚がセットになった、お得なチケット。
    【販売期間】2018年12月1日(土)~2019年1月22日(火)
    【チケット取り扱い】オンラインチケット(手数料無料)、ローソンチケット(Lコード:33819)、イープラス
    展覧会詳細 「未来を担う美術家たち 21st DOMANI・明日展」 詳細情報
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