福岡市美術館では特別展「日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」が開催されています。2022年春、福岡に24メートルを超える実物大νガンダム立像ができ大きな話題となりました。今ではその巨大ロボットも福岡の日常の一部となりつつあります。このように日本各地に存在する実物大で再現されたロボットの紹介をスタートに、年代を追って全8章で「巨大ロボットとは何か」が体感できる展示となっています。
会場入口
開幕セレモニー
漫画の連載としてスタートし、60年前にアニメ放送された『鉄人28号』は巨大ロボットの元祖であり多くの子ども達を夢中にさせました。日本の時代の流れとともに『鉄人28号』の映像表現の変遷が展示されています。
会場風景
1970年代、巨大ロボットアニメは黄金期を迎えます。パイロットの「搭乗」、オプションパーツでの「強化」、メカの「合体」、ロボットの「変形」といった巨大ロボットアニメでは欠かせないメカニズムの誕生が『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『鋼鉄ジーグ』『勇者ライディーン』『超電磁ロボ コン・バトラーV』を通して紹介されています。また、スタジオぬえのメカニックデザイナー 宮武一貴氏が本展のために描き下ろした縦2.6メートル、横5.8メートルの巨大絵画は圧巻です。
会場風景
会場風景
1979年に制作放送された『機動戦士ガンダム』によって、子ども向けだったロボットアニメが青年向けへの内容へと変化し更に多くの人を惹きつけました。40年以上経つ今も多くのファンに愛されるガンダムが展示室の床いっぱいに2Dで再現されています。
18メートルのガンダムの上を歩きながら自分の体と比較し、その巨大さをよりリアルに体感できます。また、セルアニメーションとしてロボットの大きさを伝えるための画面構成の工夫も展示されています。
会場風景
会場風景
1980年代、巨大ロボットは現実的な大きさへと変化していきます。劇中で設定されたサイズに再現されたロボットがパネル展示されており、アニメの世界に入り込んだような気分でパネルと写真を撮ることもできます。
会場風景
架空の存在でありながら、実際に存在するかのような「内部図解」がデザインされているロボットも少なくありません。イラストや模型、映像を通してロボットの内部メカが紹介されています。
会場風景
マニア向けで緻密な作品が多くなる中、1990年代には原点回帰ともいえる荒唐無稽なデザインでありながら現実的なメカ描写もある新しいスタイルのロボットが誕生します。
会場風景
最終章では、6人の識者のインタビュー展示で日本の巨大ロボット文化が分析されています。漫画やアニメで初めて巨大ロボットに触れたときの感動と興奮を思い出しながら巨大ロボットの世界観に没入し、なぜこんなにも巨大ロボットが人々を惹きつけるのかを感じられる展示でした。会場限定グッズの販売や音声ガイドの貸し出しもあります。
グッズ
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[ 取材・撮影・文:mai / 2023年9月8日 ]
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