1972年にシングル「返事はいらない」でデビューした、ユーミンこと松任谷由実(デビュー時は荒井由実)。50年の活動で39枚のオリジナルアルバムを発表し、公演数は2,000回を突破。雑誌やラジオなどのメディアを通して伝えられる等身大の姿は、多くの人たちの共感を集めています。
これまでほとんど公開されることのなかったユーミン自身のコレクションや、貴重な資料や映像、ステージ衣装、直筆のメモなどを展示する過去最大規模の展覧会が、東京シティビューで開催中です。
東京シティビュー「YUMING MUSEUM」 展覧会のキービジュアルは、ユーミンとも親交が深いアートディレクターの森本千絵(goen°)によるもの
会場に入ると、ピアノから舞い上がる楽曲をイメージした展示。ユーミンがこれまでにつくってきた曲の譜面やメモの複製がちりばめられています。
東京をテーマにした楽曲も多いユーミン。海抜250メートルの高さから眺める、東京の絶景とともにお楽しみください。
「Welcome to YUMING MUSEUM」
「Welcome to YUMING MUSEUM」
ユーミンのデビューアルバムは、1973年の「ひこうき雲」。バック・バンドには、後に夫となる松任谷正隆がキーボードで参加しています。
会場を進むと、2020年にリリースされた最新のアルバム「深海の街」までの39枚と、子ども時代から「荒井由実」時代にかけての写真で、ユーミンの歩みを感じることができます。
「50 years」
東京・八王子で生まれ育ったユーミン。ピアノは幼少期から始めていましたが、学校は立教女学院高校から多摩美術大学に進学。日本画専攻でした。
美大時代の絵や、10代の頃に米軍基地で買い集めていた洋楽のレコード、そして作曲に荒井由実時代から作曲に使っていたグランドピアノなどが並びます。
「はじまりの部屋」
奥に進むと、ユーミンが手書きで書いた歌詞や譜面などがずらり。
ファーストアルバム「ひこうき雲」につながる楽曲を構想していた高校時代のクロッキー帳など、貴重な資料は必見です。
「詩・曲」
デビューシングルこそヒットには至りませんでしたが、時代を掴んだ楽曲でたちまちスターダムに躍り出たユーミン。数々の雑誌で特集記事が組まれ、最先端を走り続けました。
事務所に保管されていた膨大なスクラップの中から、印象深い記事が紹介されています。
「時代とカルチャー」
展覧会のメインといえるのがこちら。コンサートの衣装29点やポスター、当時の貴重な映像が上映されています。
2000回を超える公演で、ファンを魅了してきたユーミン。コンサートを追体験できる、特別な空間です。
「Concert」「Costumes」「THE MACHINE」「SHANGRILA」
「Concert」「Costumes」「THE MACHINE」「SHANGRILA」
最新のオリジナルアルバムは「深海の街」。コロナ禍の最中に、ユーミンの自宅スタジオで制作されました。
ここでは「深海の街」ツアーのセットの一部をそのまま展示。ユーミンも踏んだステージの床の実物が、そのまま敷かれています。
「2020→」
今年の10月には、シンガーソングライターとして初めて文化功労者に選ばれたユーミン。長い活動にも関わらず、いまでも変わらずに創作を続けています。
最後のコーナーでは、ユーミンの机のまわりにあって、インスピレーションを刺激する品々などが紹介されています。
「On going」
会場の音声ガイドは、ユーミン自身による展示解説に加え、展望台側では各界の著名人がユーミンに宛てたメッセージとリクエスト曲を楽しむ事ができます。
ご自身のスマートフォンで無料でお楽しみいただけますので、スマホとイヤホンは必須。最大70分ほどありますので、時間には余裕を持ってお越しください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年12月7日 ]