1926年にイギリス人作家のA.A.ミルンが執筆し、E.H.シェパードが挿画を描いた『クマのプーさん』。
約100年を経た今でも人気を集めるプーさんについて、物語の世界観に包まれるあたたかな空間で紹介する展覧会が、PLAY! MUSEUMで開催中です。
左側のゲートをくぐって会場に入ります
展示の最初は「Pooh A to Z」。知っているようで知らないプーさんのこと、プーさんがどうしてここまで愛されているのかについて解説します。
展示はAからZの26項目。例えばBは「Bear of Very Little Brain」(ちっぽけな脳みそのクマ)、です。
「Pooh A to Z」
「Pooh A to Z」
中央の楕円形の展示室に入ると、「百町森(100エーカーの森)」の緑、青、黄、赤色の大きな布が広がる空間。なだらかな丘を想起させるスロープや階段も設けられました。
展示ケースは東京・檜原村の木材を活用。持続可能な森づくりをテーマに活動する東京チェンソーズの協力を得ています。
「百町森」をイメージした展示室
壁面には、1950~60年代、アメリカのダットン社のシリーズ新装版のためにシェパードが描いた原画を約100点展示。
現在刊行されている岩波書店の『クマのプーさん プー横丁にたった家』『絵本クマのプーさん』の表紙や口絵に使われている、おなじみの絵です。
『くまのプーさん プー横丁にたった家』原画 1957年
「クマのプーさん」といえば『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』ですが、他に2冊の詩集『クリストファー・ ロビンのうた』『クマのプーさんとぼく』もあります。
会場では、いくつかの詩も紹介されています。
PLAY! MUSEUM 企画展示「クマのプーさん」展 会場
会場最後は、プーさんの物語の舞台となったイングランド南部のアッシュダウンの森をテーマにした映像インスタレーション。
複数のスクリーンを縫うように進みながら、森の朝から夜まで体験できる空間。音とともに香りも漂い、特別な空間でプーと仲間たちを思うことができます。
撮影、編集、会場構成は岡本香音さんが担当しました。
映像インスタレーション「アッシュダウンの森のきろく」
ミュージアムショップでは、展覧会にあわせた会場限定グッズを発売。
クリストファーロビンとプーさんのシルエットを大きくあしらったTシャツや、切り離して飾れるぬりえブック、ボタニカルデザインのレターセットなど、さまざまなアイテムが用意されています。
ミュージアムショップ
いつものようにCAFEも、展覧会に関連したオリジナルのフード、スイーツ、ドリンクを提供中。
スモークサーモンとクリームチーズのオープンサンドなど、5種類です。
右手前が、オープンサンド サーモン(スープ付) 1,680円
文句なしで大人も子どもも楽しめる展覧会です。入場は、1日を8つの時間帯に分けての日時指定制が導入されています。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年7月15日 ]