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    レポート
    国宝 東寺 ─ 空海と仏像曼荼羅
    東京国立博物館 | 東京都
    圧巻の立体曼荼羅
    新幹線から見える京都のシンボル・五重塔を有する東寺(とうじ)。弘法大師・空海が真言密教の根本道場として整え、今日までその姿を伝えます。守り伝えられてきた密教美術の数々を紹介する展覧会が、東京国立博物館で開催中です。
    第4章「曼荼羅の世界」 (右)国宝《持国天立像》平安時代・承和6年(839)東寺蔵
    国宝《十二天像》京都国立博物館 (左から)毘沙門天・伊舎那天・帝釈天・火天[すべて展示期間:3/26-4/21]
    「後七日御修法」(ごしちにちみしほ)の道場の再現
    《両界曼荼羅図(甲本)》(胎蔵界)[展示期間:3/26-4/7]
    重要文化財《十二天面》京都国立博物館 (左から)風天、自在天[ともに全期間展示]
    国宝《女神坐像》[全期間展示]
    重要文化財《五大虚空蔵菩薩坐像》[全期間展示]
    (左から)国宝《大威徳明王騎牛像》 / 重要文化財《不空成就如来坐像》[ともに全期間展示]
    国宝《帝釈天騎象像》[全期間展示]

    2023年には、立教開宗から1200年の節目を迎える真言宗。展覧会には彫刻、絵画、書跡、工芸など、空海の教えとともに守り伝えられてきた寺宝が一堂に会します。


    都が平安京に遷都された事にともない、西寺とともに創建された東寺。西寺は後に衰退したため、東寺は平安時代の寺域を今に残す唯一の寺院になります。


    官寺だった東寺は、823年、嵯峨天皇により空海に下賜されました。当時、最も新しい仏教だった密教を唐で学び、帰国していた空海。唐から持ち帰った絵画や法具が納められた東寺は、真言密教の根本道場になっていきます。


    それまでの仏教と密教の違いについて、空海は薬を例に説いています。病人に薬の効能や分類を説くのがこれまでの仏教で、実際に処方して直すのが密教。すなわち、経典の意味だけを言うのがこれまでの仏教で、経典に従って修法を行い効験を得るのが密教、という事です。


    空海が実践したさまざまな修法の中で、最も重要な儀式が「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」。1000年の以上経ちましたが、空海請来の密教法具を用いて現在でも続けられている、驚くべき修法です。会場では道場が再現展示されています。



    密教では美術が発展しました。その教えが奥深く、文章で表す事が難しい事から、図画や造形にする事が重視されたのです。


    仏の世界を視覚的に図示したのが「曼荼羅」(まんだら)です。空海は曼荼羅を4種でたとえており、仏の姿を具体的に描いた「大曼荼羅」、仏の姿をシンボルにした「三昧耶(さんまや)曼荼羅」、文字にした「法曼荼羅」、そして立体物にした「羯磨(かつま)曼荼羅」です。


    展覧会最大の注目である、東寺講堂の立体曼荼羅も、空海が説いた羯磨曼荼羅です。中央に五仏、右に五大菩薩、左に五大明王、東西に梵天と帝釈天、四隅の四天王と、計21軀のうち、本展では15軀も集結しました。


    全ての像は360度回れるため、普段の拝観では見られない背中側も鑑賞可能です。それぞれの像が特徴的ですが、特に《持国天立像》の迫力は必見。イケメンで話題の《帝釈天騎象像》のみ、写真も撮影できます。


    関連展示として、東京国立博物館・東洋館(地下1階)の「TNM & TOPPANミュージアムシアター」では、VR作品「空海 祈りの形」も上演中。立体曼荼羅の21軀すべての形状を計測し、VRならではの視点で紹介しています。「東寺」展とは別料金ですが、半券提示で割引があります(割引は高校生以上)。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年3月25日 ]


    もっと知りたい東寺の仏たちもっと知りたい東寺の仏たち

    根立 研介(著),新見 康子(著)

    東京美術
    ¥ 1,944

    料金一般当日:1,600円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

    会場
    会期
    2019年3月26日(火)~6月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~18:00
    ※総合文化展は17:00まで
    ※時期により変動あり
    いずれも入館は閉館の30分前まで
    休館日
    月曜日、5月7日(火) ※ただし、4月1日(月)、29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館
    住所
    東京都台東区上野公園13-9
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://toji2019.jp
    料金
    一般 1,600(1,400/1,300)円 / 大学生 1,200(1,000/900)円 / 高校生 900(700/600)円 / 中学生以下 無料

    ※( )内は前売/20名以上の団体料金
    ※障がい者とその介護者1名は無料(要証明)
    ※前売券は、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館30分前まで)、展覧会公式サイト、各種プレイガイドにて、2019年1月15日(火)から3月25日(月)まで販売
    展覧会詳細 「国宝 東寺 空海と仏像曼荼羅」 詳細情報
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