野田弘志 (1936-) は、日本のリアリズム絵画を代表する画家の一人です。東京藝術大学を卒業後、イラストレーターとして多忙なH々を送る中で、絵画制作への想いが蒻まり、30代半ばより画業に専念するようにな りました。広島市立大学芸術学部で後進の指導にあたったのち、現在は北海道のアトリエで日夜制作に没頭するH々を送り、傘寿を超えてなお、リアリズムの画壇をけん引し続けています。
本展は、画家・野田弘志の最初期から 近作 まで、その画業 の全容を回顧するものです。自身のスタイルを模索していた学生時代の作品、広告会社時代のイラストやデザイン。画壇デビューを果たした頃の細密な静物画群(「黒の時代/金の時代」)から 、その名が全国的に知られる契機となった新聞連載小説「湿原」(加賀乙彦著)の挿絵原画。骨、あるいは生ける人間を 描き、死生観を示そうとしたシリーズ「TOKIJIKU(非時)」「THE」、そして近年手掛けている等身大肖像のシリーズ「聖なるもの」「崇高なるもの」まで。人物・静物・風景、いずれのモチーフを前にしても、一 貰してひたすらに見つめ、描くことで「存る」ということを突き詰めようと、野田弘志が歩んできたリアリズムの道をたどります。
(ウェブサイトより)