野口哲哉は、鎧と人間をテーマに現代性や人間性を問いかける現代美術作家です。鎧兜を着た人物が所在なくたたずんでいるかと思えば、リラックスしたり、苦悩したり、時には流行りのスニーカーを履き、ブランドのロゴが描かれた甲冑を自然に着こなすなど、一見すると鎧兜とはアンバランスな、飾らない人の姿をリアルに映し出しています。
多様な文化や感情が混ざり合うユニークな世界観は国内外の幅広い層に支持されています。
本展では、鎧をまとう人々の彫刻、絵画、インスタレーションなど、新作を含む初期からの代表作約180点で、野口哲哉の幅広い思考と精巧な作品に込められた優しさと悲しさ、人間への好奇心にあふれた世界を紹介します。