戦国期、石川一族は真宗門徒の多い西三河の各地に一族を輩出しました。由緒によると蓮如との関係を持って三河に来歴したとあります。一族の惣領家は、小川(安城市小川町)に居た石川家でした。十六世紀中頃には、惣領の忠成(清兼)が家康の祖父清康・父広忠の重臣となりました。
石川一族の中で特に活躍したのは、家康に仕えた石川数正と石川家成です。数正は忠成の孫にあたり家成は忠成の子で、数正の叔父にあたります。永禄六、七年(1563、4年)の三河一向一揆では、石川一族の多くが家康がたと一揆方に分かれて争いましたが、数正・家成はともに家康方につきました。
その後、家康の重臣として活躍した家成は掛川城に赴任し、武田氏の滅亡まで、最前線を守備しました。本能寺の変後、家康は領国を拡大し、後に豊臣秀吉と対立します。数正は家康と秀吉の取次でしたが、対立が明確になるに及んで、岡崎城から秀吉のもとへ出奔しました。
秀吉の天下統一後、数正と二代三長(康長)は松元城主(長野県松本市)よなり、また家成の子康通も関ケ原合戦後、美濃大垣城主(岐阜県大垣市)となり、城の普請や城下町づくり、領国経営にあたりました。
この展示では、門徒武士としての石川一族や、家康を支えた数正・家成とその息子たちが活躍した時代を中心に紹介します。
■記念講演会■
10月6日(土)14:00~
「家康の重臣 石川数正」 講師:平野明夫氏(國學院大學講師)
11月3日(土)14:00~
「松本城と石川数正・康長」 講師:後藤芳孝氏(松本城管理事務局 研究専門員)
■歴博講座■
10月27日(土)14:00~
「家康の友 石川家成、恋敵 康通」 講師:三島一信(本館学芸員)
■展示解説■
9月22日(土)・10月13日(土) 各日14:00~
■全国の石川さんデー■
10月13日(土)・10月14日(日)
全国の石川姓の方は観覧料半額となります
※受付に身分証明書をご提示ください
■第九回 松平シンポジウム■
「家康、天下にあい構える -秀吉との対決と臣従-」
10月7日(日)13:00~17:00
場所・歴史博物館エントランスホール
上記いずれも予約・申込不要