所蔵品展『戸田良直・道子夫妻の日本画展』
戸田良直(大垣藩最後の家老戸田鋭之助の二男)と妻道子(洋画家矢橋六郎の姉)の日本画26点を展示します。二人の作品は「芙峰流」というにじみ絵の技法による作品で、ゆっくりと墨をにじませながら描いた墨絵ぼかしのような味わいが特徴です。
【開館時間】9:00~17:00(入館16:30まで)
【入館料】一般100円、高校生以下無料
【展示内容】「胡瓜」戸田良直 等 計26点
☆戸田良直(1895~1971)・道子(1902~1992)
戸田良直氏は、元大垣共立銀行取締役。大垣藩最後の家老、戸田鋭之助の二男。
戸田道子氏は、洋画家の故・矢橋六郎氏の姉。
良直氏が銀行を退職後、夫妻で本格的に日本画に取り組むようになり、水墨画のような、にじみ絵の技法である「芙峰流」(渥美芙峰氏に師事)による作品を多く残しました。
※芙峰流
渥美芙峰氏(1893~1973、山梨県河口湖町出身)が戦後に考察した独特の手法。ゆっくりと墨をにじませながら描いた、墨絵ぼかしのような味わいが特徴。
☆『戸田良直・道子画集』(1985年1月発行)編集後記より抜粋
長い間絵が描きたかった父と、絵が描けるとは思ってもみなかった母とが、芙峰流の絵に出合い、そしてこの絵に惹かれて集った方々と共に、父は15年余を、母は今もなおこの絵で遊びつづけています。
昭和43年中日ビルで開いた、11回目の夫妻画展の折の、中日新聞の切り抜きが母の手許に残っておりました。その中で父はこんなことを云っております。
「私たちは、めいめい好きなように描いているだけです。妻の絵の方がいい、という人もたくさんいます。奥さんの絵がほめられるとお気に召さぬ方もあるようですが、私にはそんな気持ちはありませんね。二つ合わせて一つの絵と思っているんです。」
(戸田正直・宮田佳子・竹本具子)