母なる大地に根差し生命の生死再生を願い、万物生命の豊饒を祈る造形文様を土器や土偶に施した縄文人に学び、森羅万象と炎の力をかりて“縄文野焼き”を行います。縄文野焼きは祈りを込めた作品たちが新たな命を宿して生まれてくる聖なる祭りの場です。
猪風来美術館は2005年の開館以来、現代縄文創作作品の展示とともに、縄文スピリットを伝える陶芸教室や縄文野焼き祭りを開催。小学生から高齢の方までたくさんの方々が縄文の心と技を学んできました。その持続と積み重ねの20年間を通して、ここが今を生きる縄文・現代縄文アートの拠点・発信の場として認知されるようになりました。
日本に1万6千年前から1万3千年間もの永いあいだ花開いた『縄文』の息吹の一端にふれるならば、その豊かな叡智と大自然に寄り添うスピリットに感応し、現代人が失った感性が呼び覚まされます。縄文の造形・文様は“生命と魂のデザイン”。土器は食物を煮炊きして他の生きものの生命を頂く器であり、尊厳ある生命が死してまた生まれ変わる再生の祈りをささげる魂の器なのです。猪風来美術館で縄文造形の“心と技”を学び育った縄文アーティストたちの芸術活動は、縄文土器・土偶の模写から体得したものを基盤として、〈復活‐体得‐創造〉の新たな縄文芸術として開花し世界中に発信し続けています。
窯を使わずに天と地、太陽と風と火の力によって焼き上げる縄文野焼きは、自然と共生し、生と死と再生への畏怖と祈りを抱く縄文の世界観を体感することができます。皆様のご来場をお待ちしています。
※雨天時28日に延期