19世紀末から20世紀のはじめにかけてヨーロッパに広まった「アール・ヌーヴォー」、ガラス工芸の分野でこの運動を牽引したのが、フランス北東部の都市ナンシーに生まれたエミール・ガレ(1846-1904)です。ガラス・陶芸・木工家具、三つの分野で活躍した彼は、草花や昆虫など自然の形を活かした斬新なデザインと詩的な表現が高く評価され、パリ万国博覧会のグランプリを受賞しました。
2024年はガレの没後120年目に当たります。ガレがまだあまり知られていなかったおよそ40年前、その魅力にひかれ、「小さくても個性の光る美術館」を目指して収集をはじめたのが、北澤美術館の創立者北澤利男(1917-1997)でした。「美しいものを美しいと感じる素直なこころ」をモットーに、ジャポニスムの影響を受けた初期の作品から、パリ万国博覧会出品作、ひとよ茸ランプをはじめとする黄金期の大作を含む、世界でも稀にみる充実したコレクションが誕生しました。
没後120年を記念するこの展覧会では、普段展示される機会の少ない秘蔵の名作を含め、所蔵品を選りすぐり展示いたします。ガレと人気を競ったドーム兄弟の彩りあふれる作品と共に、ガラス芸術の世界をお楽しみください。
【関連イベント】
■記念講演会『北澤コレクションの生成』
講師:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年5月11日(土)14時~15時
参加費:無料(要入館料)
■トークショー『安田泰三(ガラス作家)トークショー』
手吹きガラスの名手・安田泰三さんをお招きし、作り手から見たガレの魅力を語っていただきます。
出演:安田泰三氏(ガラス作家)
聞き手:池田まゆみ(北澤美術館 主席学芸員)
日時:2024年9月21日(土)13時~14時
参加費:無料(要入館料)
■ ワークショップ『ポーセラーツ体験』
草花などの転写紙を磁器に貼り、カップ、プレート、小物入れを作ります。
講師:唐木みさ子氏(ポーセラーツインストラクター、「アトリエ花あみ」主宰)
日時:2024年7月28日(日)、8月24日(土)、9月22日 (日)
各日 ①10:30~ ②13:00~ ③15:00~(所要時間60~90分)
受付人数:各回4~6名(予約優先・空席があれば当日受付可)
体験料:マグカップ1,700円、プレート2,200円、小物入れ2,800円(税込/別途、要入館料)
WS終了後、講師が焼付けを行い10日後に発送(送料別途650円)、または館での受け取り
※材料費、講師料含む
■ エミール・ガレ120年忌
ガレ没後120年忌の2024年9月23日(月・振替休日):ご来館者にプレゼントを差し上げます。