びちゃ
山水画を中心ということで、池大雅を網羅した展覧会ではないようだが、盛りだくさんだった。文人画はこれまであまり興味がなかったが、池大雅は絵の上手、下手ではない、理想郷や中国の景色を文献から想像し、日本の実値の景色で補正した写実的な表現を含みながら、空気感や世界観を目の前にみせてくれている。絵のうまさと文人画の素人っぽさが、程よいバランスになっているのだと思う。作品を展覧会で単体で見ると、他の刺激的な作品とかと比べて埋もれてしまうこともあると思うが、こうしてまとまって見ることでじっくり、ゆっくり作品世界に没入しながら眺めることができる。よかった。
池大雅は身分は低いが、若い頃から認められていて、白隠、与謝蕪村、高芙蓉等とも交友があり、とても充実した幸福なひとだったのかなと思う。