《蛇図》 江戸時代後期
盛岡藩お抱え絵師・川口月嶺(1811~1871)による蛇図です。月嶺は現在の秋田県鹿角市で麹屋を営む川口七之助の次男として誕生し、18歳の時に江戸に出て四条派の絵師・鈴木南嶺に師事しました。弘化2年(1845)に郷里に戻った月嶺は、画業を伝え聞いた盛岡藩主・南部利済により絵師として召し抱えられます。月嶺は多くの作品を残しましたが、特に人物画と鳥獣画に優れており、画像の「蛇図」も複雑なヘビの動きを素早い筆致で的確に捉えており、月嶺の確かな力量を感じられます。
担当者からのコメント
細く長い体をくねらせて進んでいくヘビ。体の側面に描かれた特徴的な斑模様から、ヤマカガシだと思われます。何かにおいを嗅いでいるのでしょうか、チョロリと舌をだしており、よく見ると実に愛らしいお顔をしています。
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