《ナワ蛇と巫女と磐境》 三橋健 1967(昭和42)年 油彩・カンヴァス
三橋健(1912-1977)の画業は、戦前のシュルレアリスム的な作風から、戦後の抽象絵画、さらに民俗学的な主題に取り組んだものまで、ダイナミックに多彩な変貌を見せている。民俗学に入り込むきっかけは、務めていた茶屋町中学校での生徒達の鬼の面造りを見たことだった。そこから「鬼と女」のシリーズが生まれ、さらに阿哲郡日長谷の蛇型祭に取材して「ナワ蛇と巫女」のシリーズに取り組んだ。これは水の神としての蛇を祀る行事で、稲の豊作を祈って行われる。古来から行われてきた人間と自然との関わり、その信仰の形を絵として残そうとしたのである。
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